ホンダは社会的距離などに関する新たなガイドラインを導入
ホンダ(Honda)の米国部門は5月8日、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大により休止していた米国とカナダの工場において、5月11日から自動車、エンジン、トランスミッションの生産を段階的に再開すると発表した。
ホンダは3月23日、北米における自動車生産を停止した。その後、急速に変化する新型コロナウイルスの経済的影響が続く中、ホンダは事業状況を評価し、北米での生産と事業運営に必要な調整を続けてきた。
生産再開にあたって、ホンダは従業員の健康と安全を最重視している。具体的には、すべての従業員やサプライヤー関係者、工場の訪問者は、体温スキャンを受ける。飲食時を除いて、すべての建物内で常にマスクまたは布製のフェイスカバーを使用することを義務付けた。ホンダの工場とオフィスは、すべての従業員に1日あたり1枚の新しいマスクを支給する。
また、ホンダは、追加の予防策として、従業員が工場の特定のエリアにおいて、フェイスシールドを着用することを義務づける。業務全体で消毒を強化することも定められた。
さらに、従業員のシフトの開始時間をずらして、一度に工場に出入りする人の数を減らした。ランチタイムと休憩時間をずらして、カフェテリアの座席配置を変更し、ランチ用に新たな部屋を用意した。
各工場は、可能な範囲で生産ラインの社会的距離を維持するために、生産プロセスとワークステーションを見直した。トイレやロッカールームなどのエリアでは、社会的距離を保つために、収容人数を制限している。
米日産はおよそ2か月の生産停止に
日産自動車(Nissan)の米国部門は5月7日、新型コロナウイルスの感染拡大により休止している米国のほとんどの工場において、生産停止を延長すると発表した。
日産自動車の米国部門は3月18日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、米国、カナダ、メキシコを含む北米のすべての工場の生産を一時的に停止した。
日産は米国のスマーナ、デカード、キャントンなどに工場を置く。乗用車やSUV、ピックアップトラック、エンジン、トランスミッションなどを現地生産している。
米国内での新型コロナウイルスの影響が続いているため、工場の休止を延長することを決めた。なお、現場で行わなければならないいくつかのビジネスに不可欠な作業は、安全対策を強化しながら継続する。
日産は、工場の生産再開を判断するにあたって、新型コロナウイルスの感染拡大の状況、現在の新車需要、サプライヤーの準備状況などを引き続き評価していく、としている。