JR北海道札沼線北海道医療大学~新十津川間47.6kmが4月17日、84年余りにおよぶ歴史に、事実上、幕を下ろした。
4月16日、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の全国への発出が決定されたことを受けて、同区間は4月24日に予定していた最終運行が急遽繰り上げられ、4月27日に予定していた町民向けラストラン列車の運行も中止。4月17日の新十津川10時発石狩当別行き5426Dがラストラン列車となった。
新十津川町在住で、ラストラン列車を見送った三浦光喜さんの話によると、新十津川駅では三浦さんのほか、JR北海道側は島田修社長と5426Dの乗務員、新十津川町側は熊田義信新十津川町長や同町の町議会議長、新十津川観光協会会長が参加してのささやかセレモニーが開かれ、熊田町長が札沼線に対する感謝の意を述べた後、乗務員へ花束を贈呈。その後、100人以上が乗り込んだラストラン列車を見送ったという。
ラストランをひと目見ようと全国各地から人が集まることで、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されていたが、新十津川駅では鉄道マニアの姿は少なく、とくに混乱もなく平穏無事に最後の姿を見届けることができたという。
なお、北海道医療大学~新十津川間の廃止日は5月7日となっており、4月18日から5月6日までは、札幌方面からの北海道医療大学折返し列車を除き、石狩当別~新十津川間の全列車(15本)が運休する形となる。
また、2020年に入ってからのJR線廃止は、4月1日に廃止されたJR東日本気仙沼線柳津~気仙沼間、同大船渡線気仙沼~盛間に次ぐものとなる。