文書でのやりとりは「理解に苦しむ」…赤羽国交相、佐賀県との事務レベルの対応に不快感 九州新幹線西九州ルート整備問題

九州新幹線西九州ルートの終点となる長崎駅。長崎県側は、国と佐賀県とのやり取りに対して静観の構えを見せている。
  • 九州新幹線西九州ルートの終点となる長崎駅。長崎県側は、国と佐賀県とのやり取りに対して静観の構えを見せている。

九州新幹線西九州ルート新鳥栖~武雄温泉間の整備をめぐって、協議のあり方を検討している国(国土交通省)と佐賀県とのやりとりが膠着している。

新鳥栖~武雄温泉間の整備をめぐっては、2019年8月に与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム九州新幹線(西九州ルート)検討委員会(与党PT)が、国に対してフル規格での整備を要望したことに佐賀県が反発。同年9月に国土交通大臣に就任した赤羽一嘉氏は、12月までに佐賀県の山口祥義知事と2回会談し、佐賀県の同意なしに環境アセスメントの予算計上を行なわない方針を示していた。

2020年に入ると、2月までに2度、国土交通省と佐賀県との間で事務レベルでの文書のやりとりがあり、山口知事は2月12日に開かれた会見で、協議が「与党検討委員会が求めているフル規格による整備を実現するための協議でないこと」「佐賀県が合意しない限り協議は前に進まないということが担保されていること」を確認する2度目の質問書を送付することを明らかにしている。

しかし、国がその回答を送付した後に行なわれた2月18日の国交相の会見では、この2度目のやりとりでも佐賀県から「回答になっていない」と指摘されたことを明らかにし、赤羽大臣は理解に苦しむ姿勢を示した。

国交省からの2度目の回答では、フル規格ありきではなく、スーパー特急方式やミニ新幹線方式などを含む、当初の5択に基づいてフラットに議論すべきという佐賀県からの要望を認めているだけに、赤羽大臣は山口知事との信頼関係を強調する一方で「我々の信頼関係を損ねるような形での事務方のやり取りというのは、理解できない」と述べ、本格協議入り前の文書のやりとりに対する不快感を示した。

その上で、「文書のやり取りは誤解を招きますし、いろいろなことを腹蔵なく言えるように対面で協議をはじめていただきたい」と述べ、本格協議への進展を促した。

一方、西九州ルート全線の早期開業を要望する長崎県の中村法道知事は、2月17日の会見で「長崎県からの具体的な形での働きかけ等は、むしろ控えたほうがよろしいんではなかろうかと考えているところであります」と述べ、国交省と佐賀県とのやりとりを静観する構えを見せている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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