自動走行ロボット2020年度内に公道実証を始めたい…楽天 ドローン・UGV事業部 UGV事業課 シニアマネージャー 牛嶋裕之氏[インタビュー]

自動走行ロボット2020年度内に公道実証を始めたい…楽天 ドローン・UGV事業部 UGV事業課 シニアマネージャー 牛嶋裕之氏[インタビュー]
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高齢者の免許返納や買物難民などの問題で自動走行への期待が高まっている。ヒトを運ぶ自動走行と、モノを運ぶ小さな自動走行ロボットやドローンなどあらゆるツールでアプローチしていく必要があるだろう。

自動走行ロボットについて、楽天株式会社 ロジスティクス事業 ドローン・UGV事業部UGV事業課 シニアマネージャーの牛嶋裕之氏に聞いた。

子供の頃にTVで見たロボットコンテスト(ロボコン)に憧れて、2007年から2009年まで東京大学RoboTechのメンバーとしてNHKのロボコンに出場した経験があります。毎年ロボコンのお題は変わり、人とロボットの協調などにも取り組みました。また2015年から2018年は、経済産業省製造産業局でロボットなどの政策に関わりました。

牛嶋氏は、 2月18日開催セミナー「MaaS×物流」の最前線に登壇し、UGVによる無人配送の実現に向けた取組み、今後の展望などについて講演する。

小さくて、軽くて、ゆっくり動く、愛されるロボット

牛嶋氏:自動走行ロボットUGV(ユージ―ブイ・Unmanned Ground Vehicle)は、小さくて、軽くて、ゆっくり動くことが特徴です。

長中距離はトラックで運んで、地域の物流拠点から配送先までのラストワンマイルをUGVで運んだり、飲食店からのフードデリバリーやマンション内の配送などに、UGVが使えるのではないかと考えています。

これまでUGVによる配送の実証を2カ所で行いました。2019年5月29日から31日の3日間に千葉大で生協の商品の配送。2019年9月21日から10月27日の1か月間に横須賀市のスマートモビリティ・チャレンジの一環として、西友のスーパーで売っている食べ物や飲み物などを公園まで届けるサービスを配送料300円で行いました。

---:横須賀市で、UGVに出会いました。赤くて、丸っこくて、目か付いている上に「配送中です」と話すんです。とってもかわいらしくて、自然とUGVの後ろを付いて歩いてしまいました。

牛嶋氏:そうなんです。実証中は、小さなお子さんが、嬉しそうにUGVについて回ってくれて、微笑ましかったです。UGVは前に人がいるとセンサーが反応して、しっかり止まるので、安全にサービスを行うことができました。

大人の方も親しみを感じるようで、西友の女性スタッフの方々は「ゆーじ君」と名付けて接してくれていました。

---:ロボットと人間がまさに協調している世界を体験できて興味深かったです。 

人を運ぶ場合とニーズが異なる

人を乗せる自動運転に加えて、ロボットの自動走行の方も今後動きが加速するような気がしています。

牛嶋氏:人の移動サービスの場合、早く目的地に到着するため、車両もそれなりのスピードで走行する必要があります。それに対して、物を運ぶ場合、ロボットが走行するスピードよりも時間通りに届くことの方が重要です。

---:UGVの速度が6km/h以下でも、止まらず連続的に動けば、地域をカバーしてしまえるかもしれません。また人よりも物を運ぶ方が、リスクは低いかもしれませんね。

買い物難民、人手不足など社会的に大きな課題になっていますから、早く実サービスを始めて欲しいと、期待する声は非常に大きいのではないでしょうか?

牛嶋氏:5年後、10年後というよりも、さっそく2020年内により生活に密着した形でのサービスを実証し、実サービスにつなげていきたいと思っています。

2019年度内に進むルールづくり

---:日本製の自動走行ロボットが少ないと心配しています。

牛嶋氏:まだ日本製は多くありません。そのため現在は、中国の京東(ジンドン)のロボットを使用しています。実際に北京の公道を走行しているだけあって動作は安定しており、ロボコンでも感じましたが、中国のエンジニアはとても熱心に取り組んでくれています。

---:ルールづくりの進捗は?

牛嶋氏:物を運ぶ自動走行ロボットがこれまでなかったので、公道を走らせるためには、新たなルールづくりが必要になります。

政府は、2019年度内に公道上での実証のための枠組みを作るとしています。また、本格的な社会実装に向けては、2019年9月に官民による協議会が立ち上がり、ロードマップの策定や新しいルールづくりのための検討が進められています。

---:自動走行ロボットは道路のどこを走るのでしょうか?

牛嶋氏:まだ決まってはいませんが、自動走行するロボットですので、どのような道路を走るとしても周りの人々や車に合わせて速度を変えられるのも特徴です。

横須賀市での実証のようにニックネームが付くほど人々に親しんでもらいながら、ロボットが荷物をお届けできるようになるのが理想です。

---:自動走行ロボットが、農道を走りながら「おばあちゃ~ん。荷物が届いたよ~」と呼びかけながらやってくる風景が目に浮かびます。

牛嶋氏が登壇する 2月18日開催セミナー「MaaS×物流」の最前線はこちら。

《楠田悦子》

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