トヨタ ルロワ副社長「主要な取り組みが結実してきた」…通期営業利益を1000億円上方修正

トヨタ ディディエ・ルロワ副社長
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トヨタ自動車が2月6日に発表した2020年3月期の第3四半期(4~12月期)連結決算は、営業利益が前年同比6.2%増の2兆0587億円となった。販売増の効果や原価改善への取り組みなどが増益に貢献した。通期予想は上方修正した。

第3四半期の純利益は41.4%増の2兆0130億円となり、17年4~12月期に次ぐ過去2番目の水準となった。また、売上高は1.2%増の22兆8301億円で前期に続いて最高を更新した。

連結グローバル販売は2%増の683万台だった。主力の北米が1%増となったほか、日本も4%増を確保した。いずれも『カローラ』や『RAV4』などの新モデルが貢献した。好調な中国事業を含むグループの総販売台数(小売り)は2%増の814万台だった。為替は1ドル109円で、前年同期から2円の円高となり、他通貨を含む為替変動による営業減益影響は2500億円に及んだ。

しかし、グローバルでの堅調な販売を反映し、営業面の努力による営業利益増への寄与は1600億円だった。また、原価改善効果は原材料費の値上がり影響があったものの1100億円となった。

通期の連結グローバル販売見通しは895万台(前期比0.3%減)を据え置いている。通期の為替想定は1ドル108円としており、前期から3円の円高で、3050億円の営業減益に作用する。ただ、第2四半期時点よりは1円の円安に見直したことなどを反映 、通期業績予想は上方修正した。営業利益は1000億円増額の2兆5000億円(1%増)、純利益は2000億円多い2兆3500億円(25%増)とした。営業利益は過去3番目、純利益は2番目のレベルとなる。

記者会見したディディエ・ルロワ副社長は第3四半期について「増収増益となったのはTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)の展開や、北米でのインセンティブの抑制など全世界での主要な取り組みが結実しているということだ。しかし、いろいろな改善活動に取り組んでいるものの、まだ道半ばである」と評価した。

一方、新型肺炎の影響に関して、白柳正義執行役員は「中国の工場は現時点では2月9日までの生産停止を決めている。中国からの(日本などの工場への)部品については在庫の状況や代替生産の必要性などを精査している」と説明した。6日に発表した今期の業績予想には反映していないと指摘。今後の影響の広がりについては「今日の段階では読めず、精査を進めている。事実が明確になり次第、説明していきたい」と繰り返した。

《池原照雄》

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