バケットシートが必要な理由…ジャパンキャンピングカーショー2020

ブリッド(ジャパンキャンピングカーショー2020)
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キャンピングカーショーに、スポーツカーや競技車両向けのバケットシートで有名なBRIDE(ブリッド)が毎年出展している。同社は、レース用のバケットシートだけでなく、トラックや商用バン向けのシートも手掛けているからだ。

例年、BRIDEのブースで展示されているのはedirb(エディルブ)とZAOU(ザオウ)。エディルブはバン専用というわけではない。素材にウルトラスエードを使うなど、輸入高級車にもマッチする高級感のあるリクライニング式セミバケットシートだ。セミバケットには珍しくひじ掛けもついたものがあり、ハイエースや大型ミニバンなどのシートとしても人気だ。

ザオウはトラック専用として開発されており、素材の他、ホールド性と乗降性を両立させた形状に特徴のあるセミバケットシート。近年のダンパーがついたシートにも対応する。

トラックや商用車でもセミバケットシートが重宝がられるのは、やはり長距離ドライブでの疲労や運転のしやすさが違うからだ。トラックでもダイムラーやボルボは、セミバケットタイプのシートが純正採用でモデル設定があったりするが、国産車では、コストが優先されるのか、平均的なシートが多い。

しかし、ステアリングシャフトがフロアから出がちなバンやトラックは、乗用車のように背中を寝かした運転はしづらい。ホールド性の低いシートは横Gに対して余計なふんばりが必要となり疲れやすい。これはトラックを改造したり大型バンを利用するキャンピングカーにも言えることだ。長距離の運転、架装による荷重モーメントの大きさなどから、正しい姿勢でしっかり体をホールドできるバケットシートまたはセミバケットシートの効果は高い。

もともと、トラックの運転手や業務用のバンを運転していた人たちが、スポーツ用のセミバケットシートをつけてみたら、運転のしやすさや疲れにくさで手放せなくなった。そんなユーザーの声でキャンピングカーの需要もあるという。

そういえば、レーサーでもあり俳優でもある岩城滉一氏が、H3ではない軍用ハマーをほぼそのままの仕様で輸入して日本で乗っていたとき、平らなベンチシート式の純正シートでは運転できないと、運転席のシートだけバケットシートに交換していた。

トラックやバンこそ、バケットシートが必要なのかもしれない。

《中尾真二》

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