[サブウーファー攻略法] “多発使い”のコツ

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サブウーファーの“多発使い”の一例(製作ショップ:LCサウンドファクトリー<栃木県>)。
  • サブウーファーの“多発使い”の一例(製作ショップ:LCサウンドファクトリー<栃木県>)。
  • サブウーファーの“多発使い”の一例(製作ショップ:LCサウンドファクトリー<栃木県>)。
カーオーディオにおける低音強化の“攻略法”を解説してきた当短期集中特集。その最終回をお贈りする。テーマに据えるのは「多発使い”。ユニットサブウーファーを複数発用いようとするときのメリットやコツ等々を、徹底的に解説していく。

なお当特集は毎回、全国の実力カーオーディオプロショップに協力を要請し記事を制作してきた。今回は、栃木県の人気ショップ、“LCサウンドファクトリー”の代表を務める坂本さんに教えを請うた。なるほどと思える話をたくさん訊けた。じっくりとお読みいただきたい。

◆“多発使い”のメリットは、「迫力が増すこと」。ジャズやクラシックにも効く!

最初に“多発使い”の利点から教えてもらった。

「利点はズバリ、迫力が増すことです。低音の量感、重量感を確実に増大させられます。そして、空気の振動量も増えますから、体に伝わってくる強さも増します。もしもよく聴くのがヒップホップやR&Bのような低音が効いた音楽ならば、心地良さが際立つはずです。一層ビート感が強調されますし。

また、お好きな音楽がジャズやクラシックの場合にも、それらならではの良さを伸長させられると思います。セッティングの仕方は変わってきますが、ウッドベースの胴鳴りとか、コンサートホールの空気感等々をよりリアリティ高く再現できるようになりますから」

逆に、デメリットはあるのだろうか。

「不利点は、サウンド制御の難易度が上がることです。サブウーファーを複数発搭載すると、運転席のリスナーまでの距離がそれぞれで異なりますから、音の到達タイミングの制御が難しくなります。ズレることなく聴こえた方がいいですからね。1発をコントロールするとき以上に、DSPのさまざまな機能をより細かく追い込む必要性が生じます。

なおサウンド制御の難易度は、クルマのタイプによっても変わってきます。例えばセダンの場合は車室内の空間が狭いので、低音制御の難易度は上がります。対してミニバンやステーションワゴンでは車室内の空間が広くなる分、多少なりとも制御はしやすくなります。壁や天井への反射を上手く利用できたりもしますし」

◆しっかりしたボックスを製作することが、とにもかくにも重要!

不利を克服するコツについてさらに詳しく教えてもらった。

「セダンの場合は、振動板を室内に向けてシートバックにボックスを設置することが多くなると思うのですが、その場合には“リアトレイを取り払う”と、案外制御しやすくなったりしますね。そうすることでトランクと車室内とが繋がり、空間が広がりますから。

あとは、“ステレオで鳴らす”のもアリだと思います。複数発を1発として扱うよりも、2発をLchとRchに分けて扱った方が、状況としてはむしろシンプルだったりもしますから。

と言いつつ、もっとも大事なのは“サブウーファーボックスの完成度”です。しっかりしたボックスを作れば、制御の難易度を下げることも可能になります。逆にボックスの完成度が低いと、チューニング機能を駆使したところで質の良い低音は鳴らせません。それくらいボックスは重要です。そして“多発使い”の場合にはなおさら、その重要度が高まります。

ですので、サブウーファーを導入しようとする際には、ボックスの製作にもある程度予算を掛けていただきたいですね。廉価なユニットを選んでもボックス製作に十分に手間を掛ければ、良質な低音が得られます。逆に、高価なユニットを選んでもボックスに予算を掛けられないと、ユニットの性能を引き出し切れません。それではもったいないと思うんです。

ユニットサブウーファーを導入する際には、“ボックスが命”、そう考えていただきたいですね」

◆より良いボックスに仕上げるためのポイントは、“強度の確保”と“背圧の処理”!

続いては、良いボックスに仕上げるためのポイントを教えてもらった。

「ポイントは2つあると思っています。1つはボックスの“強度の確保”、そしてもう1つは“背圧の処理”です。まず、強度にはとことんこだわりたいですね。当店では、密閉性高く確実にボックスを組み上げた上で、補強を入念に行います。内部にさまざまな補強用のパーツを組み入れていくんです。

“背圧の処理”を行うにあたっては、2つの観点を持って作業します。1つは、“背圧がサブウーファーユニットに跳ね返えることを防ぐ”という観点です。跳ね返りが多いと振動板の動きにストレスを与えてしまいますから。そしてもう1つは、“定在波の発生を抑制する”という観点です。“定在波”はピークやディップを発生させ特性を乱してしまいますから。

それらを成し遂げるためには、吸音材と拡散材をどう使うかがポイントになります。ピークになりそうな周波数帯を予測してそれを取り除けるベストな吸音材を選び、拡散材は量と貼る位置を吟味して施工していきます。さらには、補強用のパーツも拡散材としての効果も考えながら取り付けます」

最後に、“多発使い”する際の“インピーダンス管理”についても教えてもらった。

「“多発使い”する場合には、接続の仕方を変えることでインピーダンスを変更できますが、インピーダンスの設定は音を優先する場合とパワーを優先させる場合とで変えています。低音の質にこだわりたい場合には最終的なインピーダンスは4Ωに設定した方が良いと思います。逆に、パワフルに鳴らしたい場合には、低インピーダンスに設定した方が有利です。ただしその場合には、それに対応できるパワーアンプを選ぶことと、電源供給を確実に行うことが条件になります。

インピーダンス設定も含め、“多発使い”をする場合にはケアしなくてはならない項目も増えますが、もろもろが上手くいけばよりダイナミックな低音が得られます。鳴りっぷりにこだわりたいと思われるのなら、トライする価値は高いです。挑戦して損はないですね」

低音増強をもっとも効果的に行いたい場合には、“複数使い”にも妙味がある。ガツンと体に感じられる低音を得たい方は、“複数使い”にもチャレンジを♪

実践的“サブウーファー攻略法”完全ガイド! 第8回 “多発使い”のコツとは?

《太田祥三》

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