[サウンド調整術入門]タイムアライメント…本格タイプの調整手順 その6

「タイムアライメント」の設定画面の一例(ロックフォード・フォズゲート)。
  • 「タイムアライメント」の設定画面の一例(ロックフォード・フォズゲート)。

カーオーディオシステムの音の聴こえ方をコントロールするための手段である、“サウンドチューニング”について解説している。ここまでは“タイムアライメント”の調整の仕方を説明してきた。今回は、フロントスピーカーとサブウーファー間の調整方法を紹介する。

なお、低音の鳴らし方はいろいろある。今回はその中の、低音も目の前から聴こえてくる形を目指す調整方法を説明していく。

ところで、フロントスピーカーの“タイムアライメント”調整のコツを解説する際、“クロスオーバー”の微調整も併せて行うべきであると説明した。サブウーファーの“タイムアライメント”を設定する際にもそれは同様だ。“位相”を合わせる必要があり、そのためには“クロスオーバー調整”がキモとなる。もしも“位相”が合わないと、“タイムアライメント”も合ってこないのだ。

“位相”の合わせ方は以下のとおりだ。まずはサブウーファーのミュートを解除し、すべてのスピーカーから音が聴こえてくる状態にする。その上で“クロスポイント”を仮に60Hzあたりに設定し、“スロープ”をいろいろと切り替えながらその都度、“正相・逆相切り替えスイッチ”を使って、正・逆の音を聴き比べる。“位相”が合うと音のエネルギー感が増したように聴こえるはずだ。つまり、音が大きくなったように感じ取れる。

ちなみに、正・逆を切り替えても聴こえ方が大きく変わらないときには、その“スロープ”は正解ではないと判断できる。どっち付かずの“スロープ”というわけだ。逆に正・逆を切り替えて明らかに聴こえ方が変わったらしめたものだ。“スロープ”はそれがベスト、と判断できる。その上で音が大きく聴こえる方に“正相・逆相切り替えスイッチ”を設定すれば、“クロスオーバー”調整は取り敢えず完了だ。

このようにして“位相”が合ったら今度は、“音量”を調整する。サブウーファーの音量が大きければ、“タイムアライメント”が合う合わないに関係なく、低音は後ろから聴こえてくる。しかし低音も目の前から聴こえてくる形を目指す場合には、音量を絞る方向で調整を進めたい。

徐々に絞っていき、後ろから聴こえてくるかどうかのギリギリのところを探っていこう。

そこまで音量を下げたらいよいよ、“タイムアライメント”の微調整に入る。なお“タイムアライメント”調整が上手くいくと、低音が段々とフロント側に移動していく。そしてフロントスピーカーの音と低音が渾然一体となって前から聴こえてくれば、サブウーファーの“タイムアライメント”調整は完了する。

今回はここまでとさせていただく。次回は“タイムアライメント”の最終回として、まとめをお届けする。お読み逃しなきように。

《太田祥三》

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