JR西日本は11月29日、同社金沢支社の線路工事担当者1人が、鉄道事業法上の法令違反を犯していたことを明らかにした。
運行と施設の保有を兼ねる第一種鉄道事業者(本件の場合はJR西日本)が実施する線路改良工事の設計に際しては、線形改良や駅構内の配線変更などが発生する場合、第一種鉄道事業者の路線に乗り入れて運行のみを行なう第二種鉄道事業者(JR貨物など)の同意を得る必要があるが、担当者はそれを4件怠ったほか、同意後に行なわれる設計内容確認で、工事設計責任者への確認手続きを経ないまま設計確認書の偽造や作成の省略を計37件行なっていたという。
設計内容に踏切道の新設などが入っている場合は国土交通省の認可が必要となるが、この担当者は認可書の偽造を2件行なっていたとされている。
JR西日本は、11月28日に国土交通省の関係運輸局へ調査結果を報告したとしており、「このような事象を発生させたことをお詫び申し上げますとともに、今後国土交通省の指導も踏まえながら、再発防止を図ってまいります」と陳謝している。