北陸新幹線は全線再開まで少なくとも1-2週間…中央本線の再開は10月18日を見込む 台風19号

E7系やW7系などが浸水した長野新幹線車両センター。この影響で、北陸新幹線が全線復旧しても、運行本数は従来の5~6割程度になる見込み。
  • E7系やW7系などが浸水した長野新幹線車両センター。この影響で、北陸新幹線が全線復旧しても、運行本数は従来の5~6割程度になる見込み。
  • 被災した北陸新幹線(10月14日、長野県)
  • 被災した北陸新幹線(10月14日、長野県)
  • しなの鉄道しなの鉄道線では、東御(とうみ)市内でオーバークロスしている市道田中西海野線(海野バイパス)の橋梁が流出したため、大屋~田中間で運行見合せが続いている。写真は流出現場の様子。
  • しなの鉄道線大屋~田中間でオーパークロスする海野バイパスの橋梁流出現場。
  • しなの鉄道線大屋~田中間でオーパークロスする海野バイパスの橋梁流出現場。
  • 冠水したしなの鉄道北しなの線の豊野変電所。

JR東日本は10月15日、台風19号の影響で運行見合せが続いている北陸新幹線長野~上越妙高間と中央本線高尾~大月間の再開見通しを明らかにした。

長野~飯山間が冠水した北陸新幹線では、水が引いた後に冠水箇所の点検が行なわれたが、その結果、信号関係の電源装置に甚大な被害を確認。復旧までに1~2週間程度と見込んでいるが、信号制御装置など他の設備に不具合が認められた場合はさらに時間を要するとしている。

また、長野新幹線車両センターに留置されていたE7系8編成、W7系2編成が浸水したことにより、運用できる車両が通常の3分の2程度となるため、北陸新幹線の全線再開後も運行本数は従来の5~6割程度になるとしている。

一方、高尾~相模湖間や四方津~梁川間で土砂流入やコンクリート壁崩落が発生し、高尾~大月間の運行が見合わされている中央本線では、10月18日の再開が見込まれているが、高尾~相模湖間については下り線を使用した単線運行による仮復旧となり、当面の間は、1時間に1本程度のシャトル運行になるとしている。

中央本線を通過する特急『あずさ』『かいじ』『富士回遊』『はちおうじ』『おうめ』については、高尾~大月間の復旧工事が10月末頃までかかる見込みのため、その終了を待って再開する予定。

JR東日本ではこのほか、10月17日から東北本線藤田~白石間が運行本数を減らして再開。足利~栃木間で運行を見合わせている両毛線のうち、足利~岩舟間は10月20日の再開を見込んでいる。岩舟~栃木間については河川堤防工事の終了を待っての再開となるため、1か月程度を要するとしている。

東北地方では階上(はしかみ)~久慈間で運行を見合わせている八戸線の臨時列車『TOHOKU EMOTION』『リゾートうみねこ』が11月30日まで運休。

バス高速輸送システム(BRT)では、専用道で土砂流入などが発生した大船渡線BRTが大船渡~碁石海岸口間で一般道経由に変更。気仙沼線BRTでは陸前戸倉~柳津間とで土砂流入が発生した関係で、気仙沼~陸前戸倉間の運行となっている。このうち、本吉~陸前戸倉間でも専用道で土砂流入が発生したため、一部が一般道経由に変更されている。

JR東日本以外では、東武鉄道が日光線の被災を受けて10月中の浅草発夜行を運休。

岩手県の三陸鉄道リアス線では、10月15日の段階で旧北リアス線区間の田老~田野畑間が2~3日で復旧としていたが、現地調査の結果、相当な期間を要することになったとしている。

長野県のしなの鉄道では、千曲川の堤防決壊により線路や電力設備、豊野変電所が浸水した北しなの線(長野~妙高高原)のうち、長野~豊野間が10月18日に再開する見込みとしている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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