パガーニ・アウトモビリは、米国で8月18日に開催される「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス2019」において、『ウアイラ・ロードスターBC』(Pagani Huayra Roadster BC)の実車を初公開すると発表した。
ウアイラ・ロードスター BCは7月31日、ジンガのレーシングゲーム、『CSR Racing 2(CSR2)』で、ひと足早くバーチャルデビューを果たしている。実車が初公開されるのは、ペブルビーチ・コンクール・デレガンス2019となる。
価格は308万5000ユーロ
ウアイラ・ロードスターBC は、40台を限定生産する計画だ。価格は308万5000ユーロ(約3億8000万円)。パガーニ史上、最も高価なモデルになるという。
ウアイラ・ロードスターBCは、カーボンファイバーとカーボンチタンを基本とした新開発の複合テクノロジーを導入した。これにより、従来と比べて、ねじり剛性が12%、曲げ剛性が20%向上している。とくに、シャシーのねじり剛性と曲げ剛性の向上は、運転時のダイナミックレスポンスや限界領域における安全性を高めることを可能にしているという。
サスペンションには、ボッシュ製の電子システムを採用した。この改良された電子システムによって、ダイブ、スクワット、ロールを大幅に抑制するだけでなく、車両のコントロールと安全性を新たなレベルに引き上げているという。
280km/h走行時に500kgのダウンフォースが目標
ウアイラ・ロードスターBCは、公道とサーキットの両方で、ドライバーが運転を楽しむことができる地上高を維持しながら、280km/h走行時に500kgのダウンフォースを得ることを目標に設計された。これを達成するために、開発チームはあらゆる運転条件において、内部のエアフローシステムと外部の空気力学的を追求したシルエットとのバランスを重視したという。
フロントは、効果的なダウンフォースを生み出すよう改良された。ダイナミックサスペンションと組み合わされたエアロダイナミクスシステムは、特定の運転条件に合わせて空力設定を適応させることで、車体の安定性を高めている。
チタニウム製の6本出しの新排気システムは、パガーニとしては初めて、ブロウンディフューザーの原理を活用した。さらなるダウンフォースを生み出すために、キャタライザーから2本のエグゾーストパイプを備えている。
802hpのV12ツインターボはメルセデスAMG製
ミッドシップに収まるのは、メルセデスベンツの高性能車部門、メルセデスAMG製のM158型6.0リットルV型12気筒ガソリンツインターボエンジンだ。ウアイラ・ロードスターBCでは、このエンジンに専用チューンを施した結果、最大出力は802hp/5900rpm、最大トルクは107kgm/2000~5600rpmを引き出す。車両重量は1250kgへ軽量化された。
Xtrac社製の7速シーケンシャルトランスミッションは、フライホイールとクラッチのユニットが、トリプルディスククラッチ、電子制御ディファレンシャル、レーシングスタイルの3ウェイカップリングシステムで構成されている。このトランスミッションシステムは、デュアルクラッチトランスミッションに比べて35%軽量化した。トランスバーサル構造は、車両全体の重量を軽減するだけでなく、オーバーステアを抑える効果を発揮するという。
タイヤは専用のピレリ「P Zero Trofeo R」だ。サイズは、フロントが265/30 R20、リアが355/25 R21を履く。グリップ性能だけでなく、転がり抵抗が軽減されるよう設計された。ブレーキはブレンボ製で、フロントに6ピストンワンピースキャリパー、リアに4ピストンワンピースキャリパーを備えたカーボンセラミックシステムを採用している。