【日産 デイズ 新型試乗】上級クラスを脅かす軽ハイトワゴン…片岡英明

6年ぶりのフルモデルチェンジ

クルージング時の驚くべき静粛性

エンジン以上に進化した「ハンドリング」

日産 デイズ 新型
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6年ぶりのフルモデルチェンジ

日産のボトムレンジを受け持つ『デイズ』がフルモデルチェンジを断行した。今回はプラットフォームだけにとどまらず、パワートレインなども一新し、走りの実力と快適性を高めている。

エクステリアは親しみやすいデザインで、ホイールベースは65mmも延びているからキャビンは広く、荷物も積みやすい。前席と後席に座ってみたが、前席は長身の人でもベストポジションを取ることができた。後席も膝もとと頭上は余裕たっぷりの空間だ。

シートがもう少しよければ、さらに印象はよくなる。ラゲッジルームはそれなりの広さだが、後席を前にスライドさせれば奥行きが増し、荷物を積みやすい。

インテリアは上級の『マーチ』より見栄えがよく、スイッチや装備も操作しやすかった。水平基調のインパネは視覚的にも広く見せ、運転席からの視界も良好だ。先代と違い、小物の収納類も充実している。ただし、使用する機会が多いUSBソケットはもう少し増やしたい。

また、個人的にはシンプルなデジタル表示のメーターのほうが見やすくて好きだ。が、丸型のアナログメーターでも判読性は悪くなかった。

クルージング時の驚くべき静粛性


エンジンはルノーとのアライアンスから生まれた659ccのBR06型直列3気筒DOHCエンジンを搭載する。自然吸気エンジンとインタークーラー付きターボがあり、モーターとリチウムイオンバッテリーを組み合わせたS(スマート)ハイブリッドをハイウェイスターに設定した。トランスミッションはステップ変速を加え、違和感をなくした無段変速のCVTだ。

モーターアシストを加えた自然吸気エンジンは最高出力38kW(52ps)/ 6400rpm、最大トルクは60Nm(6.1kg-m)/ 3600rpmを発生する。アクセルを踏み込むと滑らかに5000回転まで回り、軽やかにスピードを乗せていった。

先代より実用域のトルクは厚みがあり、フラットトルクだから扱いやすいし、軽快感も増している。車重は850kgあるため瞬発力は今一歩だが、平坦路では不満のない実力だ。

さすがに47kW(64ps)/ 100Nm(10,2kg-m)を発生するターボ搭載車は余裕があった。発進加速は鋭いし、応答レスポンスも鋭いからスピードのノリもいい。再加速でも力強い走りを披露している。多段ATのように擬似変速するDステップ変速の採用によりCVTの弱点だったラバーバンドフィールも気にならなくなった。

アイドリングストップも違和感がない。停止するときは10km/hくらいでエンジンを停止させ、再始動も上手だ。また、クルージング時は静粛性が高いことに驚かされた。エンジン音に加え、風切り音も上手に抑え込んでいる。

エンジン以上に進化した「ハンドリング」


エンジン以上によくなっているのがハンドリングだ。背の高いハイトワゴンだが、シャシーなどの剛性が高いし、足の動きもよかった。スタビリティ能力は高く、スラローム走行でもリアの接地フィールがいい。だからコントロールしやすいし、安心感もある。コーナーでは自然なロールを伴いながらしたたかなコーナリングを見せつけた。電動パワーステアリングの操舵フィールもよくなっている。だが、低速ではステアリングの軽さが少し気になった。

ターボ車は15インチのエコタイヤを履いている。動力性能は高いが、サスペンションなどの味付けはベース車と同じだ。だから積極的に攻めると少し物足りなさを感じる。だが、多くの場面でコントロールしやすく、狙ったラインに乗せやすい。

また、荒れた路面を駆け抜けても乗り心地がよかったのはうれしい誤算だ。ホイールハウス内の石ハネ音が耳につくほど静かで、乗り心地もよかった。

運転支援技術は“軽”であることを忘れる洗練度


運転支援技術のプロパイロットもいい仕上がりだ。単眼カメラを採用したプロパイロットは前走車の後ろで追従クルーズし、車間距離を自動で保ってくれるなど、安全な走行に大きく寄与する。試してみると、軽自動車であることを忘れさせるほど洗練度が高められていた。

大きな不満はないが、再加速では前走車に引き離されることがあったし、レーンキープもお節介と感じる場面がある。だが、慣れると便利で頼りになる安全運転支援システムだ。新しいデイズは上級クラスのファミリーカーを脅かす、魅力的な軽ハイトワゴンに成長していた。

■5つ星評価

パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員

《片岡英明》

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