【スーパーフォーミュラ 富士テスト】2日間総合の最速タイムは移籍した王者・山本尚貴…「このチームなら今年も戦える」

富士テストで2日間総合の最速タイムをマークした#1 山本尚貴。
  • 富士テストで2日間総合の最速タイムをマークした#1 山本尚貴。
  • 富士テストで2日間総合の最速タイムをマークした#1 山本尚貴。
  • 2日間総合2番手タイムの#3 山下健太。
  • 2日間総合3番手タイムの#20 平川亮。
  • 2日間総合4番手タイムの#18 小林可夢偉。
  • 2日間総合5番手タイムの#64 パロウ。
  • 2日間総合6番手タイムの#37 キャシディ。
  • ファンにも公開された記者会見に出席したH.ニューウェイと小林可夢偉。

全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)の今季第2回公式テストが26~27日に富士スピードウェイで行なわれた。2日間総合のトップタイムは、チームを移籍して今季を戦う前年王者・山本尚貴がマークしている。

開幕前最終の公式合同テストは2日間ともドライコンディション。3月上旬の鈴鹿テスト同様に今季参戦の11チーム20台の新車「ダラーラSF19」が勢ぞろいし、今度は富士での走行プログラムにそれぞれが臨んだ。富士の長い直線では、もちろん300km/hオーバーの最高速が記録されている。

今回の出走ドライバーは21人。今季レギュラーとして発表されている20人に加え、REAL RACING(1カーエントリー、エンジンはホンダ)が昨季までの自陣レギュラーでSUPER GTでは今季も主戦の塚越広大を起用、彼と今季レギュラーの新人T.シャルパンティエが17号車をシェアするかたちでテストを進めた。データ比較等の狙いがあったものと思われる。

2日間それぞれ午前と午後のセッションがあり、計4セッション、トータル約8時間の走行となったなか、総合ベストタイムをマークしたのは昨年のチャンピオン#1 山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)だった。タイムは初日午前セッションで出した1分21秒742。

もちろんメニューの進め方やベストタイムを出した時のタイヤの種類や状態、温度条件やコースコンディションの微妙な違いに風の強弱、今回は両日とも午前セッションのみ使用可能だったオーバーテイクシステム(OTS)を使ったか否か等々の要素が絡むので、一概には比較できない。山本自身、ベストを記録したときはマシンに完調でないところ(セットアップ不満足という意味ではない不完調要素)があったそうなので、今の戦況は「わからないですね。コンディション的にも涼しめでしたし」と話している。

山本は昨季、5年ぶり2度目のドライバーズチャンピオンとなったが、ホンダ勢全体のさらなる高みを目指した大シャッフル人事のなかで今季はチームを移籍。担当エンジニアも変わり、さらには新車での戦いになるという、ディフェンディングチャンピオンとしては異例な状況で今季を迎えた。そして鈴鹿~富士でのテストを経て、タイムや順位とは異なる次元で「このチームなら今年も戦える、そういう手応えは得ています」と語る。

帰り際、いつものように時間の許す限りファンの求めに応じていた山本は、ファンから差し出された応援旗へのサインに「2018 Wチャンピオン」と添え書きした。昨季はSFだけでなく、SUPER GT/GT500クラスでも王座をつかみ、国内最高峰同時2冠の快挙を成した。今年の目標は当然“2冠連覇”だ。簡単な話ではないが、それを目指して戦える準備は着々と整っている模様。今季も日本のトップシーンの中核となりそうな山本尚貴である。

2日間総合の2番手タイムは#3 山下健太(KONDO RACING/トヨタ)で1分21秒798。ちなみにこのタイム、2日目午前にマークしたものだが、履いていたのが新品ではなくユーズドのタイヤであったことから、他陣営にとって大きな脅威となっている。

山下が所属するKONDO RACINGは近藤真彦監督が率いるチームで、昨季はチーム部門タイトルを獲得した。山下の僚友だったN.キャシディは今季、SUPER GTでの所属先であるTOM'Sに移籍し、山下は昨季のキャシディ担当だったエンジニアと組んでいる。この田中耕太郎エンジニアは日本レース界有数の実績を誇る名将であり、鈴鹿~富士と今季開幕前のテストで山下が常に速いところを見せているところからすると、両者のマッチングは良いようだ。

田中エンジニアも「常に(順位的に)いいところにいられることで、スタート練習とかロングランとかにも時間をしっかり使える。うまく回っていることは確かだと思います」と好感触。そして同じトヨタ勢で、ともに2回のドライバーズチャンピオン獲得歴を誇る#36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)、#38 石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)といったベテランは、山下の速さを警戒する旨をコメントしている。自身初優勝を目指す3年目の山下には今季、台風の目以上の活躍が期待されるところだ。

2日間総合の3番手タイムは#20 平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)で1分21秒991、ここまでが21秒台だった。4番手は#18 小林可夢偉(carrozzeria Team KCMG/トヨタ)。5番手には鈴鹿テストでも好調だった新人の#64 A.パロウ(TCS NAKAJIMA RACING/ホンダ)がつけている。昨季シリーズ2位で、王座を争った山本同様に移籍して今季を戦う前出の#37 N.キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)が6番手。

なお、今回のテストではドライバーの公開記者会見やピットウォークも実施され、レース時よりも安価かつ高確率で目当てのドライバーやマシンに近づけるチャンスということもあり、春休み期間中とはいえ平日にしてはかなりの数のファンが富士に来場した。公式な人数発表はないが、昨年同時期の富士テストよりも増えている印象だった。

昨年も決して少なくはないと思える数のファンが集まっていたが、今季はいろいろな意味でF1とも近い魅力的な新顔ドライバーの登場や新ワンメイクマシン導入といった話題がブーストをかけているようで、来日ドライバーのなかには「テストなのに、こんなにたくさんのファンが来てくれるなんて」と驚く声も。

期待高まる2019年のSF、次の公式日程はいよいよ開幕戦ということになる。オープニングラウンドは4月20~21日、鈴鹿サーキットでの開催だ。

《遠藤俊幸》

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