世界的にも奇跡! ミケロッティによる2台の試作車が肩を並べる…ノスタルジック2デイズ2019

第11回ノスタルジック2デイズの目玉の一つはミケロッティがデザインしたワンオフの試作車の集合だ。
  • 第11回ノスタルジック2デイズの目玉の一つはミケロッティがデザインしたワンオフの試作車の集合だ。
  • 2台ともガルウィングを採用している。
  • 前衛的だが、室内などからは、マトラのモデルの雰囲気はかなり感じ取ることができる。
  • 来なかった未来、とでもいうべきなのか「昔流の未来の表現手法」を感じる。
  • 手前のミケロッティ・マトラ・レーザーはミッドシップのレイアウトを採用。荷室の奥でおおわれた部分にエンジンが搭載される。
  • レーザーから、ミザールの向こうまでを見通す。これができるのは今年のノスタルジック2デイズだ。
  • とても低い車体ゆえ、いろんな高さから眺めることができる。独特の陰影など、独創性に感心させられる。
  • 一方、ガルウィングではあるものの、かなり真っ当なパッケージのランチア・ミザール。

ノスタルジック2デイズ2019(23~24日、パシフィコ横浜)の目玉の一つはなんと言っても、ミケロッティがデザインした2台の試作車、『レーザー』と『ミザール』が会場に並ぶということだろう。イタリア人のジョヴァンニ・ミケロッティは自動車およびバイクのデザイナーだ。

「今回展示の2台が、日本にあること自体、にわかには信じられなかった」とノスタルジック2デイズを主宰する旧車専門誌『Nostalgic Hero』の関係者の一人は話す。レーザーとミザールが並ぶこと自体、世界的に見ても前例のないことだそうだ。

ミケロッティは、日野『コンテッサ』やプリンス『スカイライン・スポーツ』など、黎明期の日本車の、いまでも忘れることのできない名車のデザインを手掛け、またい大きな影響を及ぼしたデザイナーだ。彼は世界的にも多くの量産車のデザインを手掛けているが、どちらかというと、それらには瀟洒な印象のものが少なくない。しかしデザインスタディでは、限界や制限を設けず、力強さと、妥協しない「志」のようなものを見て取ることができる。

ノスタルジック2デイズ2019に展示された1台は1971年ジュネーブモーターショーに出展されたレーザー、正式には「ミケロッティ・マトラ・レーザー」だ。フランスのマトラ『M530』をベースに作られたコンセプトカーだ。ガルウィングにはならなかったものの、横一列3人掛けのミッドシップというユニークなレイアウトのクーペ、マトラ・シムカ『バゲーラ』の試作車だ。

もう1台は1974年、トリノモーターショーで発表されたランチア・ミザール。ランチア『ベータ』をベースに作られたコンセプトカーで、4枚のドアが4枚ともガルウィングという乗用車だ。このコンセプトは突飛であるものの、1979年に『デルタ』が登場しているように、当時ランチアは高い志で乗用車の次の一手を模索していた。そんな中での一案であった。

これらの希少性もさることながら、ミケロッティが手掛けた量産車とのイメージのギャップ、あるいは、こういう発想のクルマがどういう形で量産化されたのか、といったことを来場者は不思議がっていた。

《中込健太郎》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

教えて!はじめてEV

特集