VW四輪駆動の歴史…イメージが変わる「4MOTION」雪上試乗会

6モデルがラインナップ

パートタイムでスタート、その後ビスカスカップリング、トルセンへ

4MOTIONの登場、モデルに合わせた性格付けも

VW ティグアンTDI 4MOTION
  • VW ティグアンTDI 4MOTION
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  • VW ティグアンTDI 4MOTION
  • VW パサートオールトラックTDI 4MOTION
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現在フォルクスワーゲングループジャパンには6つの「4MOTION」(四輪駆動)モデルがラインナップされていることを受け、報道陣向けの雪上試乗会が1月22~24日に斑尾高原を中心に開催された。

6モデルがラインナップ

昨年『ティグアンTDI』を導入後、『パサート・オールトラックTDI』と4MOTIONモデルを相次いで導入。それ以前も『ゴルフR』や『アルテオン』など現在6モデルの4MOTIONがラインナップされている。

同社広報部長の藤井郁乃氏は、「フォルクスワーゲンというとコンパクト、ハッチバック、FFモデルというイメージが強いが、4MOTIONのラインナップが揃った結果、アクティブなライフスタイルを楽しみたいお客様のニーズにも応えられるようになった」とコメント。

パートタイムでスタート、その後ビスカスカップリング、トルセンへ

実はフォルクスワーゲンが四輪駆動を提案したのは36年前、1983年初頭に2代目『パサート・ヴァリアント』をベースにした四輪駆動モデルのコンセプトカーだ。これは縦置き2リットル5気筒エンジンと、センターとリアのデファレンシャルギアを持ち、マニュアルの切り替え操作によりフロント50%、リア50%の駆動配分を可能としていた。その翌年に『パサート・ヴァリアントシンクロ』として市販デビューし、これがフォルクスワーゲンの乗用車初の四輪駆動モデルである。

VW アルテオン4MOTION

日本へ初めてVWのフルタイム四輪駆動モデルが導入されたのは、1987年7月に販売を開始した『ゴルフ・シンクロ』だ。「当時世界的に関心が高かったビスカスカップリングを採用したモデルで、同じエンジンの前輪駆動のゴルフよりも登坂力、牽引力とも大幅にアップしていた」とは、フォルクスワーゲンアカデミーインストラクターの坂本祐也氏の弁。

ビスカスカップリングによりエンジンからの駆動力を前後のアクスル間に配分し、様々な路面状況において快適なドライブが可能となった。このモデルは、「四輪駆動の長所を引き出しながら、余計な操作をドライバーに強いない、またメンテナンスに余計な手間や費用がかからないなど、オーナーのことを考えており、フォルクスワーゲンの小型車に対する四輪駆動の思想を象徴していた」と坂本氏は紹介する。

VW ゴルフカントリー(1991年)
このゴルフシンクロをベースとした『ゴルフカントリー』は、1991年6月に限定発売。「リクリエーションビークルとして最低地上高を上げ、ボディ前後にプロテクトバーやフロントアンダーガードなどを施した」という。

1996年、5世代目のパサートヴァリアントでシンクロが進化を遂げる。センターディファレンシャルにはビスカスカップリングに代わりトルセンデフを搭載し、駆動トルクを前後輪へと自動的に振り分ける構造となった。駆動トルクの配分は通常走行では前後50対50、そして必要に応じて最大で75対25、または25対75まで変化する。さらに四輪EDS(エレクトリックディファレンシャルロックシステム)が車輪の空転を抑え、滑りやすい路面での発進、または加速時の安定性を高めていた。

VW ゴルフR

4MOTIONの登場、モデルに合わせた性格付けも

そして世界に先駆けてハルデックスカップリングを採用した四輪駆動システム、4MOTIONが誕生する。当時のプレミアムコンパクトセダン、『ボーラ』に搭載され、2000年に日本でも『ボーラV6 4MOTION』を皮切りに様々なモデルに搭載された。

電子制御による湿式多板クラッチ、ハルデックスカップリングの最大の特徴について坂本氏は、「四輪がスタンバイ状態で待機し、最適な駆動配分と燃費向上を常にコントロールしている点だ」とし、「第1世代、第2世代のハルデックスカップリングの作動原理は、発進、加速時などで前輪と後輪に回転差が生じた時に、回転差を元に油圧が発生し、油圧によってクラッチを接続して瞬時に後輪へトルクを伝達するものだった」と説明。

さらに第4世代から、電動のハルデックスカップリングポンプで油圧を発生させる機構になり、現在採用している第5世代は、ESC、ABS、XDSなどのアクティブセーフティシステムとの連携制御の精度が高まった。

VW ティグアントラックアンドフィールド(2008年)
ハルデックスカップリングのクラッチ油圧は、減速時などの0%から加速時などの100%までの範囲で制御され、前後輪の駆動トルクを100対0から50対50の範囲で配分する。つまり、「低負荷走行時には、前輪だけにトルクを配分し燃料消費を抑え、発進加速時には後輪へとトルク配分を増やすなど、状況に応じて、前後輪のトルク配分を連続的に変化させる。あらゆる走行シーンでスムーズかつ安定した走りを実現。通常は前輪に駆動力を配分しているが、必要時にはESCと連携し、駆動が確保できる車輪へ駆動力を最適に配分する」という。

このハルデックスカップリングを採用した4MOTIONは、2003年1月に『ゴルフR32』、2008年9月に初代『ティグアン・トラックアンドフィールド』、『パサート・ヴァリアントR36』など、「コンパクトモデルからセダン、ワゴン、SUVまで幅広いモデルに搭載された」。

ミシュラン X-ICE3+
現在の4MOTIONシリーズは、パサート・オールトラック、ティグアン、ゴルフ・オールトラック、アルテオン、ゴルフR、『ゴルフRヴァリアント』の6モデルだ。いずれも第5世代のハルデックスカップリングを採用しているが、「味付けや走行フィーリングがオンロードとオフロードにより異なっている」と説明。それぞれの車種の個性に合わせて性格付けがなされている。

今回の試乗会はホテルタングラム 斑尾東急リゾート(長野県上水内郡)を起点に一般道と特設コースにおいて行われ、タイヤはミシュランX-ICE3、同X-ICE3+のどちらかが装着された。ミシュランは1982年に日本に初めてスタッドレスタイヤを導入したメーカーで、スタッドレスタイヤに関しては日本で開発しているという。

《内田俊一》

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