エレクトロニクス商社のUKCホールディングスはCEATEC 2018に出展し、AIによる物体認識機能を搭載したカメラモニタリングシステムを発表した。
カメラモニタリングシステムとは、自動車のルームミラーやサイドミラーと組み合わせるカメラ・モニターのシステムで、今回の新製品ではAIによる物体認識機能を搭載した。いま注目が集まっている自動車のミラーレスシステムに組み込むものだ。
このシステムは、カメラ・ディスプレイ・ECUの3つのデバイスで構成されている。カメラにおいては、ソニー製の車載向け高感度CMOSセンサー「IMX390」を採用した。LEDフリッカー抑制とHDR(ハイダイナミックレンジ)性能に優れたCMOSセンサーだ。ディスプレイは、車載実績のある台湾CPTから調達した。
そしてECUは、メインボードにザイリンクスのFPGAを搭載し、エッジ側で推論のAIを走らせる。物体を認識するAIは、協力会社であるディジタルメディアプロフェッショナル社が開発した。
同社執行役員 グローバル・デバイス事業本部 技術部門長 の西芝久徳(にししば ひさのり)氏は、同製品の狙いを説明した。
「パートナーであるソニー、CPT(台湾)、ディジタルメディアプロフェッショナルと、トータルソリューションを提供していく。UKCとしては、IoTからAoE(AI on Everything)の時代へと移行していくと考えている。こういったソリューションを、FA(ファクトリーオートメーション)やADAS(先進安全運転支援システム)に展開していきたい。」
今後の製品展開については、「ミラー系のTier1部品メーカーと組んで、自動車メーカーに提案していきたい。すでにTier1とは話を始めている。当社も車載開発の経験はあるのでノウハウを活用していく。来年1月のカーエレクトロニクス技術展に試作品を展示し、サンプルは2月から出荷する予定。」(西芝氏)とのことだ。