事前の予想通り、レースウィークで大きな注目を集めたのはNo. 11 Kawasaki Team GREENのジョナサン・レイ。スーパーバイク世界選手権で3連覇中の絶対王者は、27日の鈴鹿8耐公式トライアルで驚異の2分5秒168のスーパーラップを記録、無駄な動きが一切なくスムーズなライディングが終始際立っていた。TOP10トライアルでもその調子は変わらず、チームメイトのレオン・ハスラムを除いて唯一の5秒台タイムとなる2分5秒463を記録、見事ポールポジションを獲得した。
一方、大会史上初の4連覇を狙うNo. 21 YAMAHA FACTORY RACING TEAMも、フリー走行から終始安定した2分7秒台の好タイムを連発、4連覇に向けて死角なしと思われた。しかし、TOP10トライアル前のフリー走行でアクシデント発生、コースイン直後のS字でエースライダーの中須賀克行が転倒、一時その場から動けなくなってしまいセッションは赤旗中断となった。終盤に中須賀は復帰したものの調子を確認する程度にとどまり、TOP10トライアルではマイケル・ファン・デル・マークからコースイン、最終的にアレックス・ローズが2分6秒170を記録、3番手を獲得した。
また、10年ぶりのワークス体制での復活となった、No. 33 Red Bull Honda with 日本郵便は、事前のテストでレオン・キャミアが転倒、レオンと同じスーパーバイク世界選手権のレギュラーライダーである、パトリック・ジェイコブセンに急遽ライダーを変更する対応を余儀なくされた。加えて日本勢初のEWC王座を狙う、No. 5 F.C.C TSR Honda Franceは藤井正和監督が言うように“優勝を意識しない”とのことで、ポイントリーダーとしての戦い方を強く意識しているように感じた。トップ10トライアルではNo. 33 中上貴晶が2分6秒027で2番手のタイムを記録、決勝の好スタートが期待される結果となった。
序盤のレース展開は、No. 33 Red Bull Honda with 日本郵便がホールショットを獲得、しかしながらタイヤ交換のタイミングを引っ張ったことでタイムロスが生じ、3位に後退してしまう。代わりにトップに立ったのがNo. 11 Kawasaki Team GREEN、その直後にNo. 21 YAMAHA FACTORY RACING TEAMが続き、1時間以上テールトゥノーズの状態が続いた。1時間57分経過時、No. 21が1コーナーでオーバーテイクに成功、このレースで初めてラップリーダーとなった。