大人も楽しめる…新刊「キリンの運びかた教えます 電車と病院も!?」【岩貞るみこの人道車医】

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「キリンの運びかた、教えます 電車と病院も!?」著:岩貞るみこ 講談社刊
  • 「キリンの運びかた、教えます 電車と病院も!?」著:岩貞るみこ 講談社刊
  • イギリスに運ばれるため、港で待つ英国高速鉄道の車両
  • 盛岡市動物公園から、上野動物園にやってきたキリンのリンゴ
  • 2016年12月に開院した、新しい埼玉県立小児医療センター
『キリンの運びかた教えます 電車と病院も!?』
出版:講談社
価格:1300円(税別)

【働くクルマ】今回は、新刊のご案内。いつも、意地悪な姑のように重箱の隅つつき的な原稿を書いているけれど、いえ!それもこれもユーザーに有益な情報をお伝えするための使命と、心を鬼にして泣きながら書いているのだけれど(泣いてはいない)、児童書を書くときは、雑念を追い払い、心を真っ白にしてパソコンに向かっている私である。

児童書を書くことになったきっかけは、沖縄美ら海水族館にいたバンドウイルカのフジに出会ったこと。尾びれの病気になって泳げなくなったフジのために、ブリヂストンの技術者たちが人工尾びれを作るという世界初のプロジェクトを耳にし、沖縄に通ったのである。

自腹切っての取材&原稿の日々だったものの、なんとかむくわれて本にしてもらったところ、本を読んでくれた小中学生から、「仲間を信じることが大切」「最後まであきらめずがんばろうと思いました」と、著者冥利につきる手紙をたくさんいただき大感激。そして、おお、もしかしてこれは、こどものうちから命の大切さを伝えれば、大人になったときに交通ルールを守って安全運転してくれるかもしれない!と、思いついたわけである。

だってまあ、大人になりきった人たちの頑固なことといったら。ドライビングスクールのインストラクターをしているときは、年間、100人以上のドライバーに出会ったけれど、なかには「いやあ、俺は一時停止しなくても、一度も事故を起こしたことないから」と、自信満々に言う人もいて、いや、そうじゃないし!大人に安全運転を伝える難しさを痛感していただけに、ここはひとつ、頭のやわらかいこどもから安全運転を伝えるべしと、張り切って児童書を書き始めたのである。

現場に長期間入るスタイルで行う本の取材は時間がかかるけれど副産物も多く、ドクターヘリの取材では交通事故のあとの救命救急の現状を、東京消防庁の取材では、救急や救助の生々しさを、米作りの取材では、公共交通機関の乏しいエリアでの農家の移動の実態をと、モータージャーナリストとしての仕事になにかと役立てさせてもらっている。

さて、紹介させていただく新刊、活躍するのは私の大好きなクルマたちである。

今回は三部作。
第1章は、タイトルにもなった、「キリンの輸送」。盛岡市動物公園から、東京の上野動物園まで、2歳になったばかりのキリンのリンゴを輸送するプロジェクト。背の高いキリンをどうやって運ぶのか?高さ制限をどうクリアするのか?また、動物の場合は、運んでいるあいだだけでなく、運べるようにする訓練や、運ばれたあとのケアも大切で、飼育員さんたちの奮闘ぶりといったらそりゃあもう!

第2章は、866両もの車両を英国に運ぶ物語で、私の大好きな重機が大活躍し、重機愛にあふれる原稿を書いたら、編集担当さんに「こどもたちには、わかりにくい」と却下され涙。本書では、できるだけ重機への偏愛を押しとどめて淡々と書いたつもりである。

第3章は、これぞ今回の本のメインともいえる、こども病院の移転である。2016年12月に新病院に移転した、埼玉県立小児医療センター。治療を続け、こどもたちの命を守りながら、いかに引っ越しを完了させるかの、一大プロジェクトである。ドクターヘリこそ出なかったものの、パトカー、救急車、ドクターカー、民間救急車が、こどもたちを秒刻みでピストン輸送する物語。取材は、後追いで実際の現場には入れなかったけれど、こどもたちが運ばれたルートを走り追体験しつつ原稿に魂こめましたとも。

小学5年生がコアなターゲットなので、目次や小扉などにイラストをふんだんに入れてもらったけれど、大人の方でも楽しめる内容になっているので、ぜひ、読んでみてくださいませ!

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。9月よりコラム『岩貞るみこの人道車医』を連載。
《岩貞るみこ》

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