トップ交代を内定したマツダの小飼雅道社長兼CEOと後任となる丸本明副社長は5月11日、都内のホテルで記者会見した。
冒頭、丸本氏は「マツダはお客様に一番近いブランドを目指しているが、まだ道半ば。取り組むべき課題と方向性は定めており、スピード感をもって当たりたい」と抱負を述べた。
開発主査や品質管理をはじめ、海外事業、経営企画など幅広い分野を担当してきた丸本氏は、自動車産業の現状について「確かに『CASE』(=コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化の略)と言われるように大変革の時代」との認識を示した。そのうえで「(変革に対処する)その前に、当社の独自性を追求することが重要であり、選択と集中を見極めながらそこはぶれずにやっていく」と述べた。
事業担当として販売網の再編などを進めてきた米国は「収益的にもブランドの面でも最重点市場」と位置付け、引き続き集中投資や商品強化に取り組む方針を示した。また、トヨタ自動車との提携については「とことん話し合いながらウィン・ウィンの関係を構築し、お互い学び合えている。単独では時間やお金ががかかったりするものは、遠慮なくこうしていただけないかとお伝えしている」とし、一層の協業拡大に意欲を示した。
マツダを引っ張る信条としては、元社長の故山本健一氏が残した「飽くなき挑戦」を掲げる。「私にとっても会社にとっても生き残っていくために、更に挑戦を続けなければならない」と強調した。
一方、小飼氏は丸本氏について「非常に幅広い職場を経験し、各部門の専門性も習得しているし、会社の課題も熟知している」と指摘。「(マツダの技術群である)SKYACTIV第2世代の商品群を出して、成功に導いてくれる人材」と期待を表明した。