石勝線夕張支線は2019年4月1日に廃止…7.5億の拠出金と一部用地の無償譲渡で合意

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夕張支線鹿ノ谷駅で発車を待つ上り列車。かつては夕張支線を軸に、炭鉱へ通じる私鉄や専用線が接続していたが、その面影も消えようとしている。鹿ノ谷駅はかつて、夕張本町駅と野幌駅を結んでいた夕張鉄道が接続しており、広大な側線や機関庫が炭鉱鉄道の威容を示していた。
  • 夕張支線鹿ノ谷駅で発車を待つ上り列車。かつては夕張支線を軸に、炭鉱へ通じる私鉄や専用線が接続していたが、その面影も消えようとしている。鹿ノ谷駅はかつて、夕張本町駅と野幌駅を結んでいた夕張鉄道が接続しており、広大な側線や機関庫が炭鉱鉄道の威容を示していた。

JR北海道と夕張市は3月23日、石勝線新夕張~夕張間(夕張支線)を2019年4月1日付けで廃止することに合意したことを明らかにした。

夕張支線は、鈴木直道市長が2016年8月、「攻めの廃線」を掲げて廃止合意を表明。その後、鉄道に代わる夕張市内を南北に貫く公共交通網について協議が重ねられてきた。そして今年2月20日に行なわれた市長会見では、条件整備や代替交通機関の運行などに一定の目途が立ったとが表明されたことから、廃止の最終決定は時間の問題となっていた。

廃止に際しては、JR北海道が「夕張市において持続可能な交通体系を再構築するために必要な費用」として7億5000万円を拠出し、南清水沢地区で整備が進められている拠点複合施設に必要な用地を一部譲渡することが合意された。

廃止決定に際して鈴木市長はツイッター上で「廃線により、その長い歴史に終止符を打つことになりました。歴史の重さを実感するとともに、今ここから『持続可能な交通体系のモデル』と言われる新たな歴史をつくっていきたい」と述べており、高橋はるみ北海道知事も廃止後の夕張のサポートを行なっていく意向を示している。

夕張支線は、元々、追分~紅葉山(現・新夕張)~夕張間の夕張線だったが、1981年10月に石勝線千歳空港(現・南千歳)~新得間が開業した際は、全線が石勝線に組み込まれていた。夕張支線の廃止により、旧夕張線で残る部分は追分~新夕張間のみとなる。また、夕張市内の鉄道駅は、廃止により5駅が消え、残るは滝ノ上と新夕張の2駅のみとなる。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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