往年の特急『おおぞら』を残そう…キハ183形保存プロジェクトが始動

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資金調達が実現すれば、国鉄色に塗り替えられて保存されることになるスラントノーズのキハ183形。同車は2002年から2010年にかけて、国鉄色に塗り替えられた車両が存在した。
  • 資金調達が実現すれば、国鉄色に塗り替えられて保存されることになるスラントノーズのキハ183形。同車は2002年から2010年にかけて、国鉄色に塗り替えられた車両が存在した。
  • 2019年春にオーブンする予定の「道の駅あびら」のイメージ。D51形蒸気機関車の隣(左手)に展示される運びとなっている。なお、2両の保存が実現した場合、1両は安平町鉄道資料館に保存する。
2018年早々、北海道でキハ183系特急形気動車保存へ向けたプロジェクトが動き始めた。任意団体「北海道鉄道観光資源研究会」が、今年3月で姿を消す非貫通タイプの先頭車・キハ183形保存へ向けたインターネット募金(クラウドファンディング)を1月1日から開始した。

キハ183系は、老朽化したキハ80系特急型気動車を置き換えるため、1979年に試作車が新潟鐵工所(現・新潟トランシス)と富士重工業で落成し、翌年2月から函館~釧路間の特急『おおぞら』で運行を開始した。先頭車のキハ183形は、正面が前方へせり出しているような流線型になっていることから、近年では「スラントノーズ」と呼ばれ親しまれていた。

同車は、車掌室または車販準備室付きに改造された200番台3両、『旭山動物園号』用に改装された0番台2両が残るのみで、現在は、札幌・旭川~網走間の特急『オホーツク』『大雪』を中心に運用されている。

しかし、今年3月のダイヤ改正では、函館~札幌間の特急が『スーパー北斗』に統一されることに伴ない、『北斗』に使用されている経年の若い500・1500番台ベースのキハ183系が『オホーツク』『大雪』へ転用されるため、老朽化したスラントノーズのキハ183形はすべて姿を消す見込みとなった。

支援は、3月30日までクラウドファンディングサイトの「ready for」で受け付けており、目標額は610万円。第2目標として1100万円を達成した場合は、もう1両を保存するとしている。1月5日時点では、170万円を超える支援が集まっている。

目標が達成された場合、北海道安平(あびら)町に2019年春にオープンする予定の「道の駅あびら」で保存する運びになっており、同町が運営している「安平町鉄道資料館」で保存しているD51形蒸気機関車(D51 320)とともに展示する予定だ。安平町には石勝線追分駅があるが、スラントノーズのキハ183形は、石勝線が開業した1981年10月から同町(当時は追分町)に乗り入れており、縁は深い。

プロジェクトの主体となる北海道鉄道観光資源研究会は、北海道に残る鉄道遺産の活用を模索している任意団体で、2014年1月に設立された。北海道観光列車のモニターツアーや道南いさりび鉄道の観光列車運行などに参画した、永山茂さん(日本旅行勤務)が代表を務める。

過去には、旧JR北海道711系電車の保存へ向けたクラウドファンディングなどを成功させており、今回の支援募集に際して「引退後は、北海道鉄道の歴史を伝えるために活用したい。みなさまの思いを、託していただけませんでしょうか」と呼びかけている。
《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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