エンジンオイルの劣化で燃費はどれだけ悪くなるのか…ビフォー&アフター徹底検証

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エンジンオイルの劣化で燃費はどれだけ悪くなるのか…ビフォー&アフター徹底検証
  • エンジンオイルの劣化で燃費はどれだけ悪くなるのか…ビフォー&アフター徹底検証
  • 1年以上エンジンオイルを交換していなかった検証車両のオイル。黒く濁っている
  • メンテナンスを殆どしていない検証車両のエンジンルーム
  • 満タンに給油してスタート
  • エンジンオイルの劣化で燃費はどれだけ悪くなるのか…ビフォー&アフター徹底検証
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クルマの燃費は誰しも気になるもの。エコドライブを心がけるのは大切だが、エコ=節約ばかりを気にし過ぎて運転することがストレスになってしまっては、せっかくのカーライフ台無しだ。燃費が良いクルマに買い替える、というのも手だが、現在所有しているクルマでもオイル交換だけで燃費が向上する、としたらどうだろうか。今回レスポンスでは、エンジンオイルを新しくすることで燃費が向上するのか、検証をおこなった。

◆エンジンオイルの役割

エンジンオイルにはさまざまな役割があるが、なかでも大きいのがエンジン内部のさまざまなパーツの関係性を正しい状態に保つことだといえる。

たとえばピストンに取り付けられたピストンリングとシリンダー内壁はつねに接触した状態にあり、高速で上下運動を繰り返している。各種ギヤはそれぞれが噛み合って、高速で回転している。非常に高度な工作精度で製造されたパーツが組み合わさって構成されるエンジンだが、じつは各パーツ同士は直接接触しているわけでない。あらゆるパーツとパーツの間には、エンジンオイルが介在し、そのパーツを潤滑し、冷却し、密閉し、防錆し、洗浄している。

エンジンオイルは開封された瞬間から劣化を始めるが、その速度はエンジン内部に注入されたとたんに加速度を増す。1000度を超え、ときには2000度にもなるという燃焼ガスにさらされ、200気圧にもなるという高圧にも痛めつけられる。そんな状態で何千km、何か月もの間に渡って仕事を続ければ、どんなに高性能なエンジンオイルであっても劣化し、本来の性能を発揮できない。

エンジンオイルの劣化は、パワー低下やオーバーヒートの原因になるのはもちろん、燃費の悪化にも影響すると言われている。潤滑性能が落ちれば抵抗が増える、冷却性能が落ちれば効率が落ちる、密閉性が落ちれば出力が落ちる…オイル劣化による利点はないに等しい。

かつては、オイルが劣化することで粘度が下がり、燃費が向上するというウワサがあったが、高度な技術で製造された現代の化学合成油ではそうしたことが起こることはまず考えられないし、そもそもそうしたウワサがあったころのオイル粘度と比べれば、現代のオイルは超が付く低粘度。劣化は劣化以外の何ものでもない、というのが現代の考え方だ。

◆エンジンオイル交換前後の燃費を検証
カストロールMAGNATECの0W-20に交換
そこで今回は、エンジンオイルの劣化がクルマの燃費性能にどのような影響をおよぼすかを検証すべく、1年以上にわたってオイル交換をしていないというホンダ「エアウェイブ」(1.5リットル、2WD、CVT)を用意し、交換前後での燃費の変化を見ることにした。

新しく入れるオイルはカストロールの部分合成油「MAGNATEC(マグナテック)」。エアウェイブのエンジンオイルは何種類かの粘度がメーカーから指定されているが、今回は0W-20をチョイスした。

まずは、古く汚れたオイルを抜いて、新しいオイルに入れ替えなくてはならないのだが、普通にオイル交換をしたのでは、古いオイルが残りがちだ。オイル交換後にオイルのチェックをしたことがある人ならわかると思うが、新しいオイルを入れた直後でも、レベルゲージでオイルをチェックすると、新品とは思えない濁ったオイルがゲージに付着する。そこで今回は神奈川県相模原市にある「オイルマン陽光台店」にて、マシンフラッシング(機械洗浄)を行ってから、新しいオイルを入れた。

マシンフラッシングは温めたフラッシングオイルをエンジン内に圧送して内部の汚れを除去するもので、作業後に新品オイルを入れた際は、まるで新車のエンジンオイルのような綺麗さであった。
エンジンルームを洗浄した効果もあって、交換後のオイルは透き通っている
テスト方法はこうだ。
(1)まずは古いオイルの状態で、オイル交換地点の最寄りガソリンスタンドでガソリンを満タンにし、計測スタート
(2)もっとも近い高速道路入り口である圏央道の相模原愛川インターから流入
(3)中央高速の大月インターでUターンし再び中央道に入り、相模湖インターで流出
(4)相模湖インターからスタート地点のガソリンスタンドまで一般道を走行
(5)その後、新しいオイルに入れ替えて、同じ(1)から(4)の行程を再度走行

※古いオイルでの走行時に、一般道2か所にて走行シーンの撮影を行ったので、新しいオイルでの走行時にも同様の走り方をして、距離を合わせた。古いオイル、新しいオイルともに走行距離は118.8kmと奇跡的に同じ数値となった。

最初に燃費比較の結果を書いておこう。古いオイルでの燃費は16.9km/リットル、新しいオイルでの燃費は17.7km/リットルと、オイル交換後の燃費が良い結果となった。大月で高速道路を折り返したとき(相模湖で高速道路を降りたとき)の燃費は、古いオイルが17.3km/リットルで、新しいオイルが18.3km/リットルだった。この数値はいずれもクルマに搭載されている燃費計での数値だ。

総合結果で1リットルあたり、0.8kmの差が生じた。高速道路だと1kmの差となった。オイル交換だけでこれだけの数値が出たのはなかなかの結果だと評価できる。
左がオイル交換前で16.9km/リットル、右が交換後で17.7km/リットルだった
満タン法でも計測したが、満タン法だと古いオイルが13.13km/リットル、新しいオイルが18.07km/リットルと大きな乖離が生じてしまったため、車載の燃費計での計測とした。満タン法を正確に行うために同じスタンドで同じポンプを使用するということまで行ったのだが、結果に反映されなかった。おそらくは停車位置によってクルマの水平さに変化があったと考えられる。給油量が少ない状態での満タン法は、誤差が大きくなってしまう傾向にある。

◆クルマのフィーリングに変化は?

燃費計測では数値がアップした。これは紛れもない事実だ。ではフィーリング的にはどうなったか。まず、アイドリング時のエンジン回転数がわずかながら上昇した印象があった。タコメーターだと針の幅程度の動きだが、100rpm弱のアイドリングアップをした感覚があった。

アクセルペダルを踏んだときのエンジン回転の上昇のスムーズさは、明らかに向上している。今回、検証車両を提供して頂いた一般人オーナーに、検証後にドライブをしてもらったところ「運転しやすくなった!」と驚いていた。それほど明らかな違いがある。古いオイルの時にはもっさりしたエンジンフィールだったが、オイル交換後はスッキリとしたフィールとなった。感覚としてはアクセルペダルが軽くなったかのようだ。ゼロ発進加速を計測すれば、若干のタイムアップは達成できているだろう。

また、振動も若干の改善を感じられた。ノイズについてはタイヤなどのほかの要因も存在するため確認できなかったが、エンジン単体でチェックすれば改善されているはずだ。エンジン全体のフリクションが減ったことで、さまざまなフィーリングが向上。結果として燃費が良くなった、という印象だ。

フリクションが減れば当然余分な発熱も抑えられるので、エンジンオイル本来の働きのひとつである冷却という面でも有利。さらに最新のカストロール・エッジは、清浄性も優れているので、エンジン内部をよりクリーンに保つこともできる。やはり、新しいオイルを使うことはさまざまな面でメリットが大きいのだ。

◆カストロールのエンジンオイル

100年以上にわたり「最高のクオリティの追及」を信念として、モータースポーツ黎明期から高性能オイルの開発をおこなうカストロール。現在、3種類のエンジンオイルをラインアップする中から、今回の検証で使用したのは「高純度インテリジェント分子」を配合する「マグナテック」シリーズだ。

マグナテックの特徴は、エンジンを始動させた瞬間からエンジンを保護すること。マグナテックの高純度インテリジェント分子は、エンジン内部の摩耗しやすい場所を感知して吸着し、強力な保護膜を形成することによりエンジン内部における金属面の摩耗を減少させる効果がある。

エンジン内のオイルは、エンジンを停止させるとオイルパンに流れ落ちてしまい、次に始動させる時に摩耗が発生してしまう。実はエンジン摩耗の75%は始動直後に発生しているという。マグナテックは、エンジンが停止している際にもエンジン内部の主要部品に吸着し、始動直後からエンジンが一定温度に達するまでの暖機運転の間も、保護膜を形成しエンジンを保護してくれる。つまり、エンジン本来の性能を長持ちさせることができる、というわけだ。

また、さらなる高性能を求めるなら、新技術「チタンFST」(チタン油膜強化技術)を採用する「カストロールエッジ」シリーズがある。カストロール史上最強のオイル皮膜を形成するというカストロールエッジは、チタンFSTによりスポーツ走行などの高負荷時にもエンジンの圧力に負けることなく、金属同士の接触を低減し、エンジンのより強力な保護を実現する。

クルマの性能や使い方に合わせて選べるのが、カストロールのエンジンオイルの利点。カーライフを快適に、長持ちさせるためにも、最適なエンジンオイルを選びたい。
カストロール MAGNATEC(左)とカストロール EDGE(右)
協力 オイルマン陽光台店

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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提供:カストロール

《諸星陽一》

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