ソニーは11月1日、東京・港南の本社で犬型ロボット「aibo(アイボ)」の発表会を開いた。先代の「AIBO(アイボ)」は2006年に生産を中止しており、11年ぶりの再登場となった。
犬の鳴き声「ワン」にかけて11時1分に始まった発表会では、まず平井一夫社長が挨拶し、同社のロボット事業について説明。そして、「おいで、アイボ」と呼びかけると、3匹のアイボが登場した。平井社長はその1匹を取り上げ、満面の笑みを浮かべながら「1年半前に開発の指示を出し、現場に何度も足を運び進捗を見守った」と話す。
そのアイボの特長は4つ。まずは見た目の愛らしさで、丸みのあるデザインを採用して初代よりも本物に近いようにした。2番目は認識能力で、カメラやセンサー類を随所に埋め込み、飼い主や周囲の環境をしながら、行動範囲を広げていけるようにした。
3番目は表現力で、瞳に有機ELを採用して表情を多彩に表現しやすくした。また、全身22カ所を自由に稼働できるようにしたことによって、腰を振ったり、首をかしげたりすることなども可能になった。
そして、4番目が学習能力だ。AIによって個々のアイボが賢くなっていくのはもちろんのこと、ネットワークに常時接続してそれぞれのアイボの動作情報をクラウドで蓄積・分析し、さらに賢くなっていくという。
ただ、初代アイボに比べて新型アイボはインパクトが小さいと言わざるを得ない。初代の時は、自律型エンタテインメントロボットのようなものは他になく、発表した時は大反響だった。「さすが、独創的なソニー」といった声も聞かれた。
しかし、今回のアイボがいくらAIなどで進化したといっても、すでに同じような機能を持ったロボットはさまざまな企業から出ている。ソニーはアイボの再投入によって、独創性の高いソニー像を取り戻したいという狙いがあるのだろうが、果たしてうまくいくだろうか。
「アイボは挑戦のスタートに過ぎない。生活をより豊かに刺激的に便利にする。伝統的なメカトロニクス技術にソフトウェア、センサー技術を組み合わせて、これからもさまざまな提案をしていく」とロボット事業の責任者である川西泉執行役員は話す。
新型アイボの価格は19万8000円で、発売は戌年となる来年2018年1月11日。ただ、アイボを利用するには「アイボベーシックプラン」に加入する必要がある。それは2パターンあり、3年契約一括払いが9万円で、分割の月払いが2980円だ。