【フレンチコンパクト試乗】エントリーモデル徹底比較、個性あふれる3つの選択肢

試乗記 輸入車

【フレンチコンパクト試乗】エントリーモデル徹底比較、個性あふれる3つの選択肢…スーザン史子
  • 【フレンチコンパクト試乗】エントリーモデル徹底比較、個性あふれる3つの選択肢…スーザン史子
  • プジョー208
  • シトロエン C3
  • DS 3とスーザン史子氏
  • プジョー208とスーザン史子氏
  • シトロエン C3
  • シトロエン C3
  • シトロエン C3
◆個性あふれる3つの選択肢

今回はフランス車を代表するエントリーモデルということで、プジョー『208』と新型シトロエン『C3』、そして『DS3』の3台を乗り比べ、その魅力に迫っていきます。なにを隠そう、私は1.6リットルのノーマルエンジンを搭載した先代シトロエンC3の現オーナー。

デザインよし、走りよし、使い勝手よし。6年経った今でも「なんていいクルマなんだろう~」と乗るたびに癒されています。親バカならぬ、オーナーバカ、ですね。そんなわけで、新型C3をはじめ、プジョー&シトロエン&DSのエントリーモデルには並々ならぬ思いがあるのです。

フレンチコンパクトの魅力を単刀直入にいえば、小粋であるということに尽きるでしょう。精緻で重厚なドイツ車や華やかなスーパーカーに代表されるイタリア車とは一線を画し、フランスでは生活に密着した小・中型車を中心に、日常に潤いを与えてくれるようなクルマが数多く作られてきました。そんな小粋なフランス車のなかでも、ブランドごとに個性はさまざまです。

「プジョー」は本国以外では、とりわけ小・中型車に強みのあるメーカーです。大衆車を得意としながら、ピニンファリーナデザインと組むなど、これまでにもタイムレスで美しいフォルムのクルマを数多く世に送り出してきました。『206』や『306』『406』などのモデルはプジョーを象徴するクルマで、過去に所有していたという方も多いのでは?

そんな小粋なフランス車のなかでも、ブランドごとに個性はさまざまです。

『2CV』や『DS』といった名車で知られる「シトロエン」は、ユニークで乗る人の個性を大切にしたクルマづくりが得意なメーカーで、世界的にみてもツウに愛されるクルマ作りが特徴です。クルマ好きなら、一度は“ダブルシェブロン”に憧れるのではないでしょうか。

「DS」は2014年に誕生したフレンチ・ラグジュアリー・ブランド。シック&アヴァンギャルドをコンセプトに、独創性ゆたかなクルマづくりを目指しています。『DS 5』の長方形の時計やシート形状、オーバーヘッドコンソールなど、ディテールへのこだわりは、まさにモダンアートの域を超えています。

いずれの3台もフランス車らしい、しなやかな乗り心地ですが、女性にも選ばれるフランス車の最大の魅力は、なんといってもファッション性の高さ。だからこそ、デザインコンシャスなフランス車に注目が集まるんです。

◆プジョー208…運転を楽しくさせるキビキビ系
プジョー208
プジョー208といえば、走りの洗練を極めたモデルです。今回試乗したのは「アリュール」という中間グレードで価格は237万円。心臓部には2015年~2017年の3年連続でインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーの最優秀賞に輝いた、1.2リットル・ピュアテックエンジンに6ATを組み合わせています。

このモデル、シトロエンC3と共通のパワーユニットを持ちながら、3気筒ならではの振動をまったく感じることのない、実に成熟した走りを見せてくれます。

しっとりとした足まわりと滑らかな加速、安定感のある操作感を実現していて、かなり足まわりを引き締めていた先代の207から一転、足まわりはだいぶソフトになり、乗り心地がとてもよくなっています。

特筆すべきはプジョー独自のインターフェイスである「i-Cockpit」。運転席に座ると、楕円の小径ハンドルの上にメーターが見えるように配置され、しっかりと両脇を締めて運転できるように設計されています。ステアリングギアレシオがクイックな設定になっているので、大抵のコーナーでは、少しハンドルを少し切り足すだけでOK。常に体幹を意識した走りができるのがこの「プジョー208」。キビキビと走るので運転していて、とても走しいクルマです。

◆シトロエン C3…新しくなってもシトロエン流は随所に!
シトロエン C3
シトロエンC3といえば、ユニークなデザインと軽快な走りが魅力のモデル。エアバンプやホイールアーチでドレスアップしたSUV風のスタイルは、唯一無二の存在感を放っています。室内空間は大型化され、後席はクラストップのレッグルームを確保しながら、300リットルを誇る荷室を備えるなど、ユーティリティにも最大限配慮しています。

また、直線的なラインを多用したインテリアはシンプルにまとまっていながらも、ディテールにはこだわりが。ドアハンドルには旅行鞄から着想を得たデザインを採用するなど、カーデザインの枠を超えた独創的なアイデアが見てとれます。これぞシトロエン流!

今回試乗した「シャイン」は239万円。最高出力110ps、最大トルク205Nmを発生する1.2リットル・ピュアテックエンジンに6ATを組み合わせた新型は、出足が鋭いうえに、後ろからグイッと押し上げるようなトルクが感じられ、1.6リットルの先代よりも断然トルクフルで軽快! 実際、トルクは約3割増しになっています。

発進時などの低速では、3気筒エンジンらしい小刻みな振動が伝わってくるなど、レトロっぽい独特のフィーリングが楽しめるのもこのクルマならでは。Tシャツ&短パンで散歩に出かけるような気軽さを持ちながらも、抜群のオシャレさんでもあります。見せ方に違いはあっても、C3らしさは先代からしっかりと受け継がれています。

◆DS 3…遊び心の利いたゴージャスカー
DS 3とスーザン史子氏
欧州Bセグメントで1、2を争うゴージャス・エレガンスカーといえばDS 3。DSウィングと呼ばれる押し出しの強いフロントフェイスやカッチリとした重厚感のあるボディには、オートクチュールのスーツをまとっているかのような、クラスを超えた風格が感じられます。また、シャークフィンと呼ばれるサイドピラーや、ルーフが宙に浮いたような視覚効果を持つフローティングルーフもDSらしい遊び心のあるデザインアイコンになっています。

もちろん、インテリアもハイクオリティ仕上げ。クロームパーツやピアノブラックを随所に配したコックピットまわりにも気分もアガります。手触りのよいスウェード調のシートには、座面にしっかりとした厚みがあり、長時間座っても疲れ知らずです。

試乗したのは1.6リットル4気筒ターボエンジンに6MTを組み合わせた上級仕様の「スポーツシック」で、価格は299万円。出力/トルクは165ps/240Nmとパワフルで、このクラスにしてはかなりのハイスペックですが、その分、走りに関しては申し分のないレベル。ギアやクラッチペダルの操作感もクセがなく扱いやすいので、久しぶりにMT車を、という方にも躊躇なく選んでもらえそうです。

一方、トルコン式6速ATもラインアップされており、エントリーグレードの車両価格は259万円からとリーズナブルな価格設定も嬉しいところ。

◆私にとってはどれもがイチ押し
シトロエンC3とスーザン史子氏
冒頭でお伝えしたように、私にとってこの3台は、どれもがイチ押しモデル。スポーティで洗練された走りが得意なプジョー208と、マイペースな走りに癒されるシトロエンC3。そしてパワフル&ゴージャスな魅力を秘めたDS 3と、それぞれが個性的で魅力的なモデルばかりです。一台に絞るなんてとてもムリ!

このほかの決め手があるとすれば、安全装備の充実度が挙げられるでしょう。プジョー208とシトロエンC3には、アクティブシティブレーキが標準で装備されています。このシステムは、カメラが前方の車両や障害物を検知して警告を発し、ドライバーが回避操作を行わない場合には、最大で25km/hの減速を行うというもの。約60km/h以下では歩行者の検知もしてくれます。

また、シトロエンC3には、自動車として世界初の装備である「シトロエン・コネクテッドカム」が装備されています。これは、走行中にカメラで撮影した映像や写真をスマートフォンでシェアできるというものです。先代C3にはなかった新装備に、私も思わずグラッときてしまいました。

このように新しいシトロエンC3は、安全面でもバッチリ進化を遂げています。この新型C3の登場を機に、プジョー208やDS 3にも注目して、あなたにピッタリな1台を見つけてみませんか? 

スーザン史子|モータージャーナリスト
某出版社編集を経てフリーに転進した、イタフラ車をこよなく愛する女性モータージャーナリスト。“クルマ業界のバラエティ部門担当”を自任している。最近はスーザン改め、カーサン史子と名乗るほど、長男の子育てに大忙し。子育てに邁進する一方、愛車のシトロエンC3は家族とキャンプに出かけるほど大活躍。日本自動車ジャーナリスト協会所属。
《スーザン史子》

編集部おすすめのニュース

特集