音声認識ソフトのベンチャー系企業、ニュアンス・コミュニケーションズ(ニュアンス社)は、フランクフルトモーターショー2017に出展。会場では同社が開発した車載向け音声認識ソリューション「Dragon Drive」の最新技術を応用したデモを行った。
Dragon Driveは、ニュアンス社が開発したクラウドベースの音声認識・自然言語理解・音声合成技術を使い、ドライバーの音声によるコマンドを理解して応答するソフトウェアだ。日本車はもとより、グローバルで多くの車両に採用されており、つい先日も新型アウディ『A8』にDragon Driveコネクテッド・カープラットフォームの採用が発表されたばかり。アウディには元々同社の技術が搭載されていたが、今回はアウディ専用のドイツ語音声合成を開発。アウディ独自のユーザーエクスペリエンスをドライバーへ提供可能となった。
会場はVWグループが出展する3号館の2階、New Mobility World(NMW)の一角。長いエスカレートを上がってショー会場全体を眺望できる中、ドアを開けて入るとそこはすべてNMW。ニュアンス社はその一角でモーターショーの前半を使ってデモを展開する。
会場にはニュアンス社が独自に仕立てたデモカーを出展。そこには各座席に音声認識のためのマイクユニットが組み込まれ、その一つひとつが複数のマイクを集合させたマイクアレイとなっている。これを使って、同社が持つ音声認識の最新技術をデモするわけだ。デモでは「Hallo、Dragon」という声掛けをきっかけに様々なコマンドが入力できる様子を実演。複数の条件付きの検索でもコマンド入力後、数秒で画面上に答えを表示する。
他にも声掛けなしにコマンドが認識できる最新技術をデモ。この技術のメリットが理解しやすいよう、用意されたのがゲームとして遊べるイントロクイズだ。この日も、音楽がスタートして「Got it!」と発すると同時に、自動的に声を発した人のコマンドが活かされる様子が実演された。音楽のタイトルやアーティストを入力すると正解かどうかをチェック。当たっていれば点数が加算されていく仕組み。遊びながらニュアンス社の技術が実感できるデモとなっていた。
その他、IoTでつながるAIスピーカーも参考出展。鍵の施錠/解錠が音声コマンドを発話することで動作するデモの様子が披露された。ニュアンス社では音声認識による技術として開発に取り組んでいく予定だという。