三菱自動車株主総会、益子CEO「パジェロ、ランエボ復活の夢は捨てたくない」

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三菱自動車の益子修CEO(最高経営責任者)は6月23日に都内で開いた株主総会で、『パジェロ』と『ランサーエボリューション』の新規開発について、当面は厳しいとしながらも「夢は捨てたくない」とし、「V字回復を実現し余力が出てきた暁には挑戦したい」との考えを示した。

益子CEOは「これまで生産販売してきた多くの車種の中でもパジェロとランサーエボリューションは最も知名度の高いクルマで、当社のブランドイメージを高めるのに大きな貢献をしてきた。世界各国で長年にわたりたくさんのお客様に愛されてきた当社のブランドを代表するクルマでもある」と両モデルを評価。

また「パジェロは、ダカールラリーでの戦いぶりを通して世界に通用するクルマになった。ランサーエボリューションは、WRC(世界ラリー選手権)で活躍したことが認められ、多くの方に愛されてきた。当社の最大の財産のひとつといっても過言でない」と強調。

さらに「パジェロやランサーエボリューションには、多くの社員や多くのお客様が愛着を持っている。パジェロとランサーエボリューションの技術は当社のSUVの中に数多く取り入れられ、大切な技術はしっかりと伝承され、他のクルマの中に生きている」とも述べた。

一方で「ますます厳しくなる環境規制や燃費規制にも目を向けなければならない。アメリカや欧州で要求されている高い水準の規制が中国、中東、ASEANでも順次導入されている。パジェロやランサーエボリューションのようなタイプのクルマは次第に販売可能なエリアが限られるようになってきた。当社の規模では要求されるすべての規制に対応し、多くの車種を開発していくことは現実的ではなく、思い切った選択と集中が会社が生き残る道」と指摘。

その上で「今後私どもは環境に配慮したクルマ造り、自動運転に代表される安全に配慮したクルマ造りが開発のメインストリームになる」との方針を示した。

すでにランサーエボリューションは、2016年秋までに生産販売が終了。またパジェロは2016年10月に一部改良が行われたものの、新規開発は凍結されている。

しかし益子CEOは「夢は捨てたくない」とも語り、「V字回復を実現し会社に余力が出てきた暁にはルノー・日産アライアンスの力も借りて、今と全く同じクルマではないかもしれないが、いつか新しいパジェロやランサーエボリューションの開発に挑戦したいという気持ちを持って仕事をしていく。会社の置かれた状況と捨てない夢について、株主の皆様のご理解を頂ければ大変ありがたく思う」と株主に理解を求めた。

また今後の研究開発については「アライアンスを活用しながら長期的な視点で強化を進めていく。投資額については自動車業界で競争力を維持するために必要な水準である売上高比で約5%をめどとする。またそれに伴う必要な工数も確保する。社員の増強に加え、外部のエンジニアリング会社も積極的に活用する計画。これらにより高い商品力を持ったモデルの市場投入が可能となり、商品主導による販売台数と売上高の増大を図っていく」と述べた。

国内販売に関しては「軽自動車の販売は2015年度レベルに戻りつつあり、これに加え今年度待望の新型車『エクリプス クロス』や『デリカD:5』の特別仕様車などで挽回を目指す。また今年度は、将来の電動車両時代に備えて、販売店200店舗を電動DRIVE STATIONとしてリニューアルするプロジェクトの初年度。2017年度は28店舗を電動DRIVE STATION化する」と明かした。

株主総会では、益子CEOの続投に疑問を呈する株主からの質問が相次ぎ、会場から拍手も起こったが、益子CEOの続投を含む取締役11名の選任など総会決議事項はすべて原案通り可決された。

《小松哲也》

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