東武鉄道「フラッグシップ特急車両」を導入へ…地下鉄直通特急も検討

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東武鉄道はこのほど策定した中期経営計画で「フラッグシップ特急」の導入と「地下鉄直通特急」の検討を盛り込んだ。写真は特急スペーシアで使われている100系。
  • 東武鉄道はこのほど策定した中期経営計画で「フラッグシップ特急」の導入と「地下鉄直通特急」の検討を盛り込んだ。写真は特急スペーシアで使われている100系。
  • 東武鉄道はこのほど策定した中期経営計画で「フラッグシップ特急」の導入と「地下鉄直通特急」の検討を盛り込んだ。写真は500系特急形電車「リバティ」。
東武鉄道は4月28日、同社の「フラッグシップ」となる特急車両を導入することを明らかにした。特急車両の地下鉄への乗入れも検討する。

同社がこのほど策定した、東武グループの中期経営計画(2017~2020年度)に盛り込まれたもの。それによると、「輸送サービスのレベルアップ」策の一つとして「フラッグシップ特急車両の導入」が掲げられた。

中期経営計画ではこのほか、伊勢崎線(東武スカイツリーライン)と野田線(東武アーバンパークライン)が交差する春日部駅のジャンクション機能の強化、六実~逆井間の複線化、急行運転の拡大による速達性の向上、500系特急形電車「リバティ」の増備が盛り込まれた。検討事項としては、東京地下鉄(東京メトロ)日比谷線に直通する列車の速達性向上、都心・空港へのアクセス性向上、特急車両の地下鉄乗入れが盛り込まれた。

ホームドアは、2020年までに北千住駅や池袋駅など8駅に設置。2021年以降は23駅に設置することを目指す。線路を高架・地下化して道路との交差を連続的に立体化する連続立体交差事業(連立事業)は、竹ノ塚駅付近・とうきょうスカイツリー駅付近・清水公園~梅郷間・春日部駅付近・大山駅付近で推進するとしている。

■インバウンド対応の新型特急を新造か

「フラッグシップ特急車両」の具体像は明らかにされていない。今回の中期経営計画の位置づけは「急伸するインバウンド需要の取込みと情報発信の強化を図る」などとなっており、訪日観光客などの取込みを意識した豪華特急車両の導入も考えられる。

JR東日本の場合、2012年に策定した中期経営計画で「鉄道ならではの魅力ある旅の提案などを目的とした、新たな豪華列車の導入」を「観光立国の推進」策の一つとして掲げた。その後、豪華寝台列車(クルーズトレイン)『TRAIN SUITE 四季島』の運行を発表。この列車で使用するE001形電車・気動車を開発した。

関東大手私鉄の有料特急による地下鉄乗入れは、小田急電鉄の特急ロマンスカー(東京メトロ千代田線に直通)がある。東武線と直通している地下鉄は、東京メトロの日比谷線と半蔵門線の2線だが、中期経営計画では乗入れ先やルートに触れていない。

地下鉄で運行する車両は、編成両端の先頭部に非常用の脱出ドアを設けなければならない。このほどデビューした東武の新型特急「リバティ」は、複数の編成を連結する際に使用する貫通ドアが先頭部に設けられており、「リバティ」を使用した地下鉄直通が考えられる。通勤電車とはドアの数などが異なるため、各線で計画されているホームドアの設置位置などが課題になりそうだ。

空港へのアクセス向上は、国土交通大臣の諮問機関・交通政策審議会が2016年4月に答申した「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」を踏まえたものといえる。この答申では、羽田空港アクセス線(田町駅付近・大井町駅付近・東京テレポート~東京貨物ターミナル付近~羽田空港)について「久喜駅での東武伊勢崎線と東北本線の相互直通運転化等の工夫により、さらに広域からの空港アクセス利便性の向上に資する取組についても検討が行われることを期待」するものとしていた。今後、具体的な運行ルートの検討が進むものと見られる。
《草町義和》

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