旭川の特急乗継ぎを観察してみた…3月4日JR北海道ダイヤ改正

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旭川駅で発車を待つ上り『ライラック』。
  • 旭川駅で発車を待つ上り『ライラック』。
  • 苗穂駅構内に進入する3月3日の『スーパーカムイ24号』。785系はこの日を最後に札幌~旭川間の電車特急から撤退した。
3月4日、JRグループのダイヤ改正が実施され、JR北海道では札幌~旭川・稚内・網走間の特急が大きく改編された。今回は札幌駅と旭川駅でこの動きを追ってみた。

■『ライラック』復活~国鉄の愛称名を持つニューフェイスたち

3月3日まで札幌~旭川間の電車特急は『スーパーカムイ』のみだったが、改正後は『ライラック』と『カムイ』の2本建てとなった。『カムイ』は『スーパーカムイ』時代に引き続き789系1000番代が充当されたが、『ライラック』は2016年3月まで津軽海峡線の『スーパー白鳥』に使用されていた789系0番代が転用されている。番代こそ異なるものの、双方とも789系となり、JR北海道初の特急形電車785系は札幌~旭川間から撤退している。

一方、札幌~稚内・網走間の気動車特急は、特急形気動車の老朽化が激しくなってきたという理由から、運用減が図られることになった。その結果、稚内方面は3往復中2往復、網走方面は4往復中2往復が旭川折返しに変更され、それぞれ『サロベツ』『大雪』を名乗るようになった。また、『サロベツ』はキハ183系からキハ261系0番代に置き換えられたため、宗谷本線からキハ183系の姿が消えている。

その結果、札幌を発着する特急では3つのニューフェイスが誕生している。その一番手と言える列車が札幌~旭川間の『ライラック』で、2007年10月改正で廃止されて以来、9年半ぶりの復活となった。その下り一番列車『ライラック1号』は札幌を6時35分に発車。先頭車の前頭部サイドには、北海道の地域別物産などをあしらったラッピングが施されているが、『スーパー白鳥』時代に付いていた津軽海峡をあしらったイラストは消されていた。残念ながら初列車の発車に際してのセレモニーは行なわれず、撮影に訪れたマニアが見守るだけのやや淋しい旅立ちとなった。

『ライラック1号』の次に発車したニューフェイスは、7時30分発の稚内行き『宗谷』だった。こちらは、2000年3月のダイヤ改正まで札幌~稚内間の気動車急行に使われていた愛称名で、17年ぶりの復活となる。改正前まで『スーパー宗谷』に使われていたキハ261系0番代がスライドで充当されているが、ヘッドマークは『スーパー宗谷』のものから「SUPER Soya」の文字を消しただけのデザインになっていた。

最後に登場したニューフェイスは、『ライラック』を補完するもうひとつの電車特急『カムイ』で、その下り初列車『カムイ7号』は札幌を9時に発車。こちらは1988年3月改正で廃止された手稲・札幌~旭川・富良野・新得間の気動車急行に使われていた『かむい』の名をカタカナ書きにしたものなので、厳密には復活愛称名ではないが、急行時代の響きがあるだけに、北海道の国鉄世代には感慨深いものがあるだろう。

『ライラック』は14往復、『カムイ』は10往復設定されているが、号数は通算されている。グリーン車付きは『ライラック』、グリーン車なしは『カムイ』となっているので、わかりやすい列車体系だ。

■旭川での特急乗継ぎ~自由席同士の乗継ぎなら『ライラック』の4号車がおすすめ

札幌~稚内・網走間の特急が一部、旭川発着となったことで、札幌~旭川間の連絡はグリーン車がある『ライラック』が担うことに。そのため、旭川駅では『大雪』『サロベツ』との対面乗換えが行なわれ、料金は途中下車をしない限り通し計算されることになった。それでも乗継ぎが発生することで不便を強いられるという声もあったが、実際はどうなのか、旭川へ出向いて観察してみた。

札幌から乗車した列車は11時発の『ライラック13号』。この列車は旭川で網走行きの『大雪1号』と接続するが、札幌発車時点で自由席はたちまち満席となり、デッキには数名の立客も出ていた。

『ライラック13号』の旭川到着ホームは4番で、向かい側の3番ホームには『オホーツク』で見慣れたキハ183系の『大雪1号』が停車していた。『大雪』の名は1992年3月改正で消滅して以来、25年ぶりの復活となる。停車位置は両列車の先頭・1号車(網走、稚内方)にほぼ合わせるようになっていたが、『ライラック』は6両編成、『大雪』は4両編成と長さに違いがあるため、乗車する号車によっては乗継ぎの負担が大きく変わってくる。

たとえば、『ライラック』の自由席(4~6号車)から『大雪』の自由席(1号車と2号車の半室)へ乗り継ぐ場合、連結位置が正反対となるため、20~100mほど移動することになる。とくに『ライラック』の6号車自由席は、『大雪』の自由席から見てもっとも遠くに位置するため、歩きたくない自由席利用者は『ライラック』の4号車に乗車したほうがよいだろう。

ちなみに、筆者は『ライラック13号』の6号車自由席に乗り、旭川で『大雪1号』の1号車自由席まで歩いてみたが、3・4番ホームにはキヨスクが1ヶ所、エレベーターが1ヶ所、階段が2ヶ所あるため、その部分は通路が極端に狭くなっている。乗継ぎ時間は16分確保されているものの、自由席同士の乗継ぎは気が急くものだし、この日は『ライラック13号』が6分遅れで旭川に到着したため乗継ぎ時間が短くなり、つい小走りになる人も。通路が狭くなっている箇所では何度も人とぶつかりそうになった。筆者のような健常者でもそうなので、荷物が多い乗客や身体が不自由な乗客はさらに注意して乗り継ぐ必要があるだろう。

これが、『ライラック』と『サロベツ』の乗継ぎとなると少し事情が変わってくる。『サロベツ』も『大雪』と同じ4両編成だが、自由席は札幌方の4号車なので、自由席同士の乗継ぎでは『大雪』より移動距離が短くなる。『ライラック』の4号車自由席からはほぼ完璧な対面乗換えが可能だ。筆者が見た限り、『ライラック15号』→『サロベツ』の乗継ぎ客は、『ライラック13号』→『大雪1号』よりはるかに少なかったため、スムーズに移動できていた。列車によっても左右されるケースがありそうだ。
《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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