トヨタ自動車は12月6日に都内で、同社独自の設計手法であるTNGAに基づいて新開発した直列4気筒2.5リットル直噴エンジンを世界初公開するとともに、エンジンの開発種類数を約40%削減する方針を明らかにした。
トヨタの岸宏尚常務役員は同日都内で会見し、「TNGAに基づき開発したエンジンシリーズを『ダイナミック フォース エンジン』と命名し、今後展開する異なる排気量の新型エンジンシリーズすべてを環境性能と出力性能を大幅に向上した力強いエンジンにしていく」と説明した。
今回公開した直列4気筒2.5リットル直噴エンジンは「新開発のマルチホールインジェクターで直噴化するとともに、世界初のトロコイド式の連続可変容量オイルポンプを採用するなど多くの新技術を投入した結果、比出力と最大熱効率化は従来のトレードオフラインを突き抜け、世界トップレベルを達成した」という。
具体的には、合わせて初公開した新型8速オートマチックトランスミッション『ダイレクト シフト-8AT』との組み合わせにより、燃費で約20%、動力性能も約10%向上させるとともに、排気性能としてはPM(粒子状物質)粒子数6割削減できたとしている。
この直列4気筒2.5リットル直噴エンジンとダイレクト シフト-8ATおよびハイブリッドシステムと組み合わせたパワートレインを搭載するモデルを2017年に発売する計画。
一方、TNGAに基づき開発したダイナミック フォース エンジンをシリーズ化することでエンジン機種数も大きく削減する方針も示された。
トヨタの水島寿之専務役員は同日の会見で「従来、様々なデバイスや構造をそれぞれのクルマのニーズや特性に合わせて選択してきた。今回、クルマのプラットフォームの刷新とすべてのパワートレインの刷新を同期させることにより重心を低くし、かつ最適な搭載方法に構造を統一することが可能となった」と説明。
その上で「これと合わせてエンジンの燃焼室やシリンダー設計を統一し、気筒容積と気筒数の組み合わせでエンジンバリエーションを構成することも実施していく。それにより従来発生していた同じ排気量で別の型式が存在するというような重複をなくし、整理統合を進めることでエンジンの開発種類数を約40%低減する」と述べた。