トヨタ自動車は11月8日、為替見通しを円安に見直したことや原価改善の成果が想定を上回っていることなどを理由に2017年3月期の連結営業利益予想を従来の1兆6000億円から1兆7000億円に1000億円上方修正した。前期との比較では40%の減益を見込む。
上方修正した1000億円の主な内訳は為替変動による押し上げ分が400億円、原価改善努力も400億円、また営業面の努力は150億円などとなっている。
トヨタの伊地知隆彦副社長は同日、都内で開いた決算会見で原価改善に関して「従来から同じように仕入れ先と一緒になった原価低減、あるいは今出ている車をもっと効率的に廉価にできないかという活動、それと工場と物流の改善などだが、今回変わったのは4月から導入したカンパニー制」と明かした。
というのも「実はイギリスのEU離脱が発表された直後から緊急収益改善が立ち上がった。従来であれば機能軸で動いていたことでそれなりに時間がかかっていたが、カンパニー長がリーダーシップをとって進め、さらに機能軸も協力することで、相当早め早めに改善のネタがでてきた」からだ。
そのうえで伊地知副社長は「そしてそれを実際の決算数字に結びつけることができた点は、これまでと違う。そういう意味ではカンパニー制の効果がかなり出つつあると認識している」と評価した。