ヤナセの井出健義社長は足元の輸入車販売状況について「踊り場にきている」としながらも、中長期的には「年間40万台程度の市場規模になっていく」との見方を示した。
井出社長は5月14日にグループ会社でアウディを取り扱うヤナセオートモーティブが開設した「アウディ文京」の式典であいさつし「輸入車販売は去年の第4四半期(10~12月)あたりから、それまで順調に右肩上がりで伸びてきたものが、逆に下げに転じて踊り場にある」と指摘。
その背景として「消費増税以降長引く消費者マインドの冷え込み、国内外では経済あるいは政治の事件が続いている。やはり我々の商売は気分の『気』が一番大事で、なかなか気分的にお金を使って魅力的な輸入車を買おうという心境にならない状況が続いている」と述べた。
一方、式典後の囲み取材では「日本は特殊な市場で輸入車の比率があまりにも低すぎる。500万台市場のうち5.5~5.6%しかない。このような市場は他にない。韓国は3~4年で13%まであっという間にいってしまった。何の制約もない自由競争の状況であれば3割まで輸入車が占めていてもいいと思う」とも語った。
その上で「ただ日本では軽自動車が4割も占めているので、3割というのは無理だが、中長期的には軽を除いた乗用車の中での15%、40万台くらいまではいってもいいのではないか」と展望した。