【グッドイヤー 雪上試乗】スタッドレスタイヤ ICE NAVI 6、新雪のハンドリングに納得

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プリウスに装着したICE NAVI6
  • プリウスに装着したICE NAVI6
  • 50系プリウスでICE NAVI6を試乗
  • ICE NAVI 6のブロックパターンとサイプ
  • 新雪でもよく「かんで」くれる
  • 試乗中
  • 雪道でのブレーキングは慎重に

2月某日、グッドイヤーの雪上試乗会が開催された。オールシーズンタイヤ「ベクター 4シーズンズ」とスタッドレスタイヤ「ICE NAVI 6」の試乗を体験することができた。ここではICE NAVI 6のインプレッションを紹介したい。

試乗できたのは『プリウス』(50系)のFFと4WD(e-Four)だ。それぞれにICE NAVI 6が装着されていた。試乗コースは、福島県にあるスキー場の駐車場。そこにいくつかの特設コースを設けての走行だった。また、周辺の一般道でも2台の試乗走行を体験できた。

いまさら説明するまでもないかもしれないが、ICE NAVI 6は雪上・氷上性能に加え、ユーザーアンケートの結果からロングライフにもこだわったスタッドレスタイヤだ。今回の試乗ではライフまで評価することはできないが、スラロームやブレーキテストなども体験できたので、スタッドレスタイヤの基本性能である雪上・氷上(圧雪)についての評価となる。じつは、試乗開始とともに雪が降りだし、もともとは圧雪状態の路面だったのがみるみる新雪・深雪路面になっていった。それでも試乗車が何度も走るうち、コーナー手前などところどころが、踏み固められたり、下の圧雪層が露出してきたりと、ちょうど2パターンの路面を試すことができた。

一般的に、日本のスタッドレスタイヤは、圧雪や凍結路面(氷上性能)に向けた性能に寄せているといわれている。それは日本の道路事情を考えてのこと。とくにストップアンドゴーを繰り返す信号や交差点の多さから、雪道はすぐに圧雪、氷の路面となってしまうからだ。しかし、半面、新雪など柔らかい雪の路面では、欧米スタッドレスに劣るともいわれる。その違いは、新雪路面の発進時に体感できることがある。ICE NAVI 6は、降り始めた雪でも、しっかりグリップしてスムースな発進をしてくれる。

スラローム走行でもほぼ思った通りにステアリングが効いてくれた。雪道ではラフなハンドル操作は禁物だが、意識的にクイックにハンドルを切っても、グリップが抜けたりすることはなかった。もちろん、試乗コースの設定スピード内での話だが、ステアリングの応答性の手ごたえに違和感はないので、雪道でのドライブのストレスは減少するだろう。

40km/h程度の直線圧雪路からの直角コーナーも自然にクリアできた。ICE NAVI 6がしっかりグリップしてくれるので、コーナーのアプローチはアクセルオフのエンジンブレーキメインの方がうまく曲がれた。雪道走行でのセオリーでもあるが、フットブレーキの多様は禁物(=フットブレーキを多様するような運転がそもそも危険となる)だ。減速は手前でしっかり行い、コーナー中はスタッドレスのグリップ力と惰性を利用して曲がる。

もうひとつ、今回の試乗コースの特徴は、スキー場の駐車場(下が舗装ではない)ということもあり、部分的にうねりが(おそらく雪がなければ水たまりができるほどの凹凸)多い路面もあった。ここでもハンドルをとられたり、グリップが抜けるようなことはなかった。車のサスペンションも褒めてあげるべきだろうが、タイヤの追従性も悪くない。

最後にFFと4WDの違いについても簡単にレビューしておこう。4WDプリウスのトラクションコントロールの制御による部分も多いかと思うが、鋭角の180度ターンでは、90度くらい曲がったとところで、軽くアクセルオンにするとオーバーステア気味に向きが変わる。通常4WDはリア駆動によってプッシングアンダー(ステア)になりがちなのだが、スタッドレスのグリップとトラクションにより、駆動配分の制御が強調されたのかもしれない。いずれにせよ、雪道でパーシャルアクセルで車の向きをある程度制御できるタイヤというのはありがたい。

そろそろスノーシーズンは終わってしまうが、ICE NAVI 6は、国内でも山間部や郊外など、信号や交差点でツルツルの氷上路面が少なく、雪深いところではかなり威力を発揮してくれそうだ。

《中尾真二》

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