富士重工業(スバル)の吉永泰之社長は1月18日、都内で報道関係者と懇談し、円高に触れている為替の今期(2016年3月期)業績への影響はないとの見通しを示唆した。
同社は、為替については向こう3か月分を予約する運用を行っており、今期分は「年末までに完全予約済み」(吉永社長)という。このため、足元の円高に対しては「差益が出る状況」(同)にある。
富士重は2016年3月期の連結営業利益を前期比30%増の5500億円と、大幅増益での過去最高を予想している。通期の為替レートは1ドル120円を前提とし、為替影響で1060億円の営業増益効果を見込んでいる。
第2四半期(4-9月)までの円ドルレートの実績は同122円となっており、為替予約によって通期では業績予想前提の同120円より円高になることはない見込みだ。吉永社長は「むしろ心配なのは来期の動向」としており、足元の円高傾向に警戒を示した。