2015-2016日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベスト車でもある『BMW2シリーズ グランツアラー』。その導入時に試乗車の用意がなかった、「220i Gran Tourer Luxury」は、走らせて数100mで「シリーズ中、これぞ本命ではないか!?」と思える仕上がりだ。とにかくいい…と思わせられるのが乗り心地。試乗済みの“M Spoet”も額面通りスポーティなBMWの世界観を表現してはいるが、標準サスペンションというコチラは、発進した瞬間から巡航まで、終始グッとしなやかな乗り味をキープしてくれるのがいい。Gran Tourer Luxuryは3列シートで、当然家族ぐるみや、多人数乗車の機会が多いだろうが、まさしくそんな用途に相応しい出来栄え。もちろんしっとりと上質なその乗り味は、BMWの本流でもあるセダン系に少しも遜色がないものだ。奥深いサスペンションのストローク、ステアリングのスムースなレスポンスも(当然のことだが)BMWそのもの。初期モデルに対して、すでにより熟成がすすんだ感すらある。パワーユニット(2リットルのガソリンエンジン。ミッションは8速AT)も十分なトルクと軽やかな吹け上がりで、これもまたBMWらしさを存分に発揮している。それと造り込まれたインテリア。MPVであっても、あくまでBMW流のデザイン、雰囲気を貫いているところも信頼感は十分だ。■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。