一部ディーゼル車に排気ガス試験を不正にクリアする違法なソフトウェアを搭載していた問題で、創業以来、最大の危機にあるフォルクスワーゲングループ。同社のトップが、最大市場の中国を訪問した。
これは10月30日、フォルクスワーゲングループが明らかにしたもの。「マティアス・ミューラーCEOが、ドイツのメルケル首相の中国訪問に同行した」と公表している。
ミューラーCEOは、中国訪問で大きな成果を上げた。それは、中国の中国工商銀行(ICBC)との間で、戦略的提携関係を構築する内容の合意を結んだこと。
フォルクスワーゲングループにとって、中国は最大市場。中国ではガソリン車が主流のため、今回の同社の排気ガス不正問題の影響は、限定的と見られる。その中国での基盤を、さらに強化することになるのが、今回の中国工商銀行との合意だ。
ミューラーCEOは、「この合意の下、中国工商銀行はフォルクスワーゲングループに対して、中国および世界で幅広い金融サービスを提供できるだろう」と述べている。