【新聞ウォッチ】国内の景況感3期ぶり悪化、上半期新車販売も3年連続マイナス

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2015年10月2日付

●「中国減速」先行きに影、製造業の景況感悪化、9月短観(読売・9面)

●VW排ガス不正の背景、燃費追求ハイテクの魂(読売・9面)

●TPP自動車合意へ、部品域内調達40%台半ばで調整(毎日・1面)

●トヨタクラウンターボ復活(毎日・7面)

●国内の新車販売9月は7.6%減、軽の苦戦目立つ(毎日・7面)

●道路公団民営化から10年、遠い無料化、老朽化重荷(産経・10面)

●東京モーターショー、76台が世界初公開へ(産経・10面)

●エコカー用アジアで増産、JFE軽く強い鋼鈑、JSR省エネタイヤ原料、燃費規制強化に先手(日経・1面)

●VW、資金調達に暗雲、信用悪化で金利急上昇、新車販売に影響も(日経・7面)

●GM、ホンダと新たな提携検討(日経・11面)

ひとくちコメント

9月中旬から独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス規制の不正問題ばかりに目を奪われていたが、中国経済の減速やその影響を受ける新興国の景気低迷など「中国ショック」に対する懸念と国内の個人消費の伸び悩みから、国内企業の景況感は足踏み状態となったという。

日銀が発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数は大企業製造業が前回6月の調査時点てのプラス15から3ポイントも下回り、3四半期ぶりの悪化となったそうだ。

判断指数は、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた値だが、大企業製造業16業種のうち、悪化が11業種にもなった。

各紙が10月1日の夕刊で「景況感3期ぶり悪化」と速報。きょうも産経が:1面トップで「中国ショック重荷」と1面トップで大きく取り上げているほか、他紙も「大企業も景気に不安」(東京)、「非製造業、強気どこまで」(日経)などと、詳細を分析した解説記事を載せている。

こうした中、9月に国内で販売された新車の台数は、軽自動車税の増税に伴って、軽自動車の販売の落ち込みが続いていることなどから、昨年の同月に比べて7.6%減の47万9375台と、9カ月連続で前年実績を下回った。このうち登録車が3.0%減の30万5802台と2カ月ぶりの落込み。軽自動車は14.7%減の17万3573台と、9カ月連続で前年を下回った。

また、2015年上期(4~9月)の国内新車販売台数も、前年同期比5.8%減の232万9270台と、上半期では3年連続で前年実績を割り込んだ。

業界関係者の中には「消費者の財布のひもは固いが、10月下旬からの東京モーターショーをきっかけに、下半期の販売が上向くよう期待したい」との楽観的な見方もある。

東京モーターショーの主催者側も「世界一のショーと誇れるように日本のモノづくりのショーケースにしたい」と意気込みながらショーの概要を発表した。だが、「VWも出展へ」の見出しで日経が比較的スペースを割いて報じたものの、産経は「76台が世界初公開へ」などと、わずか数行の小さな記事で伝えるなどメディアの関心はイマイチである。

《福田俊之》

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