【トヨタ シエンタ ハイブリッド 試乗】クラス最上の燃費性能と3列目席のゆとり、快適感が光る…青山尚暉

試乗記 国産車
トヨタ シエンタ ハイブリッド
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新型『シエンタ』には、先代ユーザーが熱望した新規ハイブリッドと、トヨタ最新の1.5リットルエンジンを積むガソリン車が用意される。

ここでは『アクア』のハイブリッドシステムを加速方向寄りにチューニングし、ダンパーに低フリクションオイルをおごったハイブリッドモデルに試乗した。

ハイブリッドとガソリン車では、サスペンション、タイヤはまったく同一という。ただし、ハイブリッドの方が、2列目席床下、つまり先代では収納になっていた空洞部分に重量物のバッテリーを収めるため、重心高はガソリン車より15~20mm程度低まるとのこと。

オプションとなる16インチタイヤを装着したモデルで走りだせば、乗り味は直前に乗ったガソリン車より明らかに重厚で硬め。パワステもよりしっかりしたタッチになる。

運転席のシートクッションは厚み感があり、上半身を包み込んでくれるような心地よさがあるものの、段差やマンホールを乗り超えたときのショックは直接的。ふんわり一発で何事もないようにいなしてくれるガソリン16インチタイヤ装着車の乗り心地とは異なる。ロードノイズの侵入もやや大きめに感じられたほどだ。

その分、スイスイ、スポーティーに走ってくれる感覚はあるのだが、ファミリーのためのコンパクトミニバンとしての快適感、静粛性では、意外にもガソリン車の同銘柄、同サイズのタイヤを履くモデルには及ばないという印象である。

動力性能はモーターのトルクによって、ガソリン車より明らかにゆとりがある。ガソリン車だと大人2~3人乗車でも苦しく感じるゆるい上り坂でも、ハイブリッドならストレスなく加速してくれる。高速道路や山道での余裕なら、間違いなくハイブリッドだろう。

標準の15インチタイヤを履くモデルは、ガソリン車の16インチタイヤ装着車ほどではないにしても、角が丸められたそこそこ快適な乗り心地を示してくれた。

ガソリン車の最高20.2km/リットルというモード燃費も素晴らしいが、ハイブリッドミニバンとして驚異的な27.2km/リットルのモード燃費性能に魅力を感じるなら、どう考えても標準の15インチタイヤ装着車がオススメ。実際、開発陣の一押しグレードもハイブリッドの標準仕様だという(ガソリン車なら乗り心地ががぜん良くなるOPの16インチを薦めるが)。

ところで、新型シエンタはハイブリッドとガソリン車の運転席回りの見た目の差が小さい。メーターはハイブリッドの場合、左側がハイブリッドシステムインジケーターになるだけ。シフターはどちらもゲート式で、ハイブリッドにエレクトロシフトマチックが採用されるわけではない。つまり、ホンダの『ヴェゼル』や『シャトル』のように、ハイブリッドのメーター、シフター回りの方が圧倒的に先進感があり、かっこいい…なんていうことはない…。

価格はXグレード同士でハイブリッドのほうが41万円程度高い。ガソリン車でもライバルの『フリード ハイブリッド』並みの燃費性能なのだから(フリード ハイブリッド=21.6km/リットル)、ガソリン車の中間グレードのXに、ファミリーカーにも今や常識の先進安全装備をパッケージした「トヨタセーフティセンスC」やナビを加えて支払額を押さえるのも賢い買い方だと思える。

これはハイブリッド、ガソリン車を問わないことだが、3列目席のかけ心地、空間はクラス最上・最大。というか、2列目席をちょっと前に出すことで、大人が不満なく乗っていられる、このクラスのミニバンとしてかつてない"使える"3列目席なのである。

が、ボクが気に入ったのは、最大4名乗車時に限ってのアレンジだが、座る3列目席側の2列目席を折り畳むフォーメーション。畳んだ2列目席はコの字になり、身長172cmのボクのひざ回り空間(コの字の内側)は、アルファードの2列目席ロングスライド最後端位置(約87cm)どころじゃない約158cmに達するのだからすごい!! この足元の広々感、ハンパじゃありません。このアレンジを知れば、3列目席が特等席になるかもしれない…。

そうそう、シエンタはペットフレンドリーなコンパクトミニバンでもある。スライドドア部分はフロアとの段差がなく、フロア地上高は330mmと素晴らしく低く、小型犬や老犬でも楽々乗り込むことができ、開口部地上高490mmとこれまた低いテールゲート側からでも、3列目席を格納すれば快適に乗り込み、くつろぐことができる。ペット用アクセサリーも豊富にそろっているので、愛犬家に刺さること間違いなしである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車専門誌の編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に寄稿。自作測定器による1車30項目以上におよぶパッケージデータは膨大。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がけ、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーの活動も行なっている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
《青山尚暉》

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