【スズキ RM-Z250 新型】新採用のKYB製エアフォークがもたらす恩恵

モーターサイクル 新型車
「PSF2」のカットモデルほか。
  • 「PSF2」のカットモデルほか。
  • 【スズキ RM-Z250 新型】新採用のKYB製エアフォークがもたらす恩恵
  • 手軽にできるエアフォークの空気圧調整。
  • KYBモーターサイクルサスペンションの技術部・新藤和人さん。
  • 上からダストシール、新採用のスクレーパ、そしてオイルシール。「PSF2」では三重構造となった。
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  • スズキ RM-Z250 2016年モデル

2016年モデルでフルモデルチェンジとなったスズキのモトクロス競技専用車『RM-Z250』。フロントフォークには、最新式のKYB製エアフォークシステム「PSF2」(ニューマチック・スプリング・フォーク2)が導入され、モトクロスファンから注目を浴びている。

いま話題のエアフォーク、そのメリットは何なのか、KYBモーターサイクルサスペンションの技術部・新藤和人さんに教えてもらった。

「まずは大幅な軽量化です」

従来のフロントフォークでは、もっとも重量比の高かった金属製のメインスプリングをなくしたことで、およそ1000gの軽量化を実現。「フロントまわりが軽く、ハンドリングがより軽快になる」という。

そして「素早く簡単に調整できる」というのも魅力だ。これまでなら、メインスプリングを交換するにはフロントフォークの分解作業が必要だったが、エアフォークなら1ヶ所のバルブでエア圧を調整するだけ。作業環境が整っていないコースサイドで、いくらでも調整できる。

また、減衰力調整の範囲も拡大した。伸側調整機構をダブルアジャスター化し、低速/高速で異なる特性を持たせることができるようになった。

「シリンダーの大径化」も大きなメリットとなっている。従来ならレイアウト上の限界があったが、メインスプリングを省いたことでシリンダー径を24mmから32mmにまで拡大することができ、減衰力の応答性と安定性を向上。

もちろん、作動性も上がる。これまでの金属バネはフリクションが大きく、ストローク後半で比較すると、PSF2ではフリクションを約20%も低減。動きそのものが良くなった。

そして新藤さんは最後に「スクレーパの採用も忘れてはなりません」と付け加えた。これまではダストシールとオイルシールの二重構造だったが、ここにスクレーパを追加することでダストの侵入を防ぎ、オイルシールの寿命をのばすことに成功。

フロントフォークのオイル漏れは、プロユースはもちろんファンライドを楽しむサンデーライダーにとっても大きな悩みのひとつだったことは確か。これを解消するとなれば、ファンライドユーザーにも大きなメリットだといえる。

最新のエアフォークは、ストイックに走りを突き詰めるプロライダーだけでなく、幅広い層にメリットをもたらしそうだ。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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