【フォード クーガ 試乗】ピリ辛の無国籍料理を楽しむ…鈴木ケンイチ

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フォード クーガ タイタニアム
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「フォード」というブランドは、意外にやっかいだ。

『マスタング』や『エクスプローラー』、『F150』といったクルマを見れば「フォードって、やっぱりアメ車だよね」と思うだろう。しかし、一方で『フォーカス』や『フィエスタ』、『エコスポーツ』、『クーガ』といった、ぜんぜん“アメ車っぽくない”モデルもある。

そして、実のところ、グローバルでビジネスを行うフォードの主力車種は、こちらの“アメ車っぽくない”モデルたちなのだ。これらのモデルは、欧州市場だけでなく中国やインド、アセアンでフォードの看板を掲げて、ライバルたちと熾烈なシェア争いを行っている。

エンジンが変更されたクーガも、そうしたグローバルで戦う“アメ車っぽくない”モデルだ。世界的なトレンドであるミドルサイズのSUVであるため、ライバルは、VWの『ティグアン』やBMWの『X1』、Jeep『チェロキー』など。日本車でいえば、マツダ『CX-5』や日産『エクストレイル』などと同じクラスになる。

そうしたライバルがひしめき合う中、クーガはどのようなキャラクターで戦っているのか? それはエンジンの変更で、より鮮明になった。

これまでクーガは、最高出力182馬力/最大トルク240Nm、JC08モード燃費9.5km/リットルの1.6リットル・ターボのエコブースト・エンジンを搭載していた。それを、最高出力242馬力・最大トルク345Nm、JC08モード燃費10.0km/リットルの2リットルターボと、最高出力182馬力/最大トルク240Nm/JC08モード燃費12.7km/リットルの1.5リットルターボという2本立てのラインナップとした。

そして肝心のクーガのキャラクターが、より鮮明にわかるのが2リットルモデルだ。

アクセルを踏み込めば、パチンと弾けるような加速を見せる。わずかなステアリング操舵にも即座にクルマが反応する。まさに打てば響くような、溌剌とした元気のよい走り。

SUVではなくセダンテイスト。というか、それさえも通り越して、まるでホットハッチ! スカイブルーの針が踊るメーターや、丸くスイッチを配置したセンタコーンソールなど、そのインテリアは、抑圧的なドイツ車とも違うし、艶やかなイタリア車や華麗なフランス車とも異なる。あえていえば無国籍風。そして若々しい。

つまり、クーガは、若い感覚の無国籍風デザインで走りも元気いっぱい。ピリリと辛い無国籍料理。そんなキャラクターなのだ。

そして、1.6リットルモデルは、パワーもクルマの動きも乗り心地もよりマイルドだ。しかし、それでも、世間一般の基準から見れば、十分に元気いっぱいである。つまりは、この若々しく元気のよいところがクーガの特徴なのだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

鈴木ケンイチ|モータージャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
新車のレビューからEVなどの最先端技術、開発者インタビュー、ユーザー取材、ドライブ企画まで幅広く行う。特に得意なのは、プロダクツの背景にある作り手の思いを掘り出すインタビュー。

《鈴木ケンイチ》

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