気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2015年8月20日付
●「バイクの日」若者にPR(読売・10面)
●VAIO復活へ正念場、米、ブラジル販売再開方針(読売・10面)
●天津爆発長引く影響、工場停止延長、荷揚げ港変更(読売・11面)
●車鋼板、6000円値下げへ、トヨタ・鉄鋼大手が交渉(朝日・6面)
●訪日客最速1000万人超え、中国人は伸び鈍る兆候、1-7月(毎日・2面)
●ガソリン下落130円台、小売価格4か月ぶり(毎日・4面)
●ターボ車国産も続々、燃費改善で復権、欧州エコカーの主流(毎日・6面)
●戦後70年高度成長の軌跡、打倒サニー常識超えたカローラ開発、がむしゃら精神車大国築く(産経・1面)
●三菱自戦略車、インドネシア投入(日経・11面)
●トヨタ、値下げ要請再開、部品各社に1年ぶり、競争激化、コスト減(日経・13面)
●スズキ、新型車開発加速、小型に重点車種3割増、軽量車体で燃費改善(日経・15面)
ひとくちコメント
下請けの部品メーカーとの価格交渉で、トヨタ自動車がこれまで据え置いてきた値下げの要請を再開するという。
きょうの日経が企業面で報じている。それによると、トヨタは取引先の経営支援と景気回復の後押しを狙い、2014年度下期(14年10月~15年3月)から部品メーカーを対象に値下げの要請を一律で据え置いてきたが「一定の効果があったと判断し、15年度下期から再び値下げを求める方向で調整を始めた」と伝えている。
トヨタでは、デンソーやアイシン精機などの主要仕入れ先で組織する「協豊会」の会員企業約450社を対象に半年ごとに納入価格の改定交渉を実施している。14年度下期からは電気料金や原材料コストの上昇から一律で価格を据え置く異例の措置を取ったが、競争激化でさらなるコスト削減に取り組むことが急務とみて、近く正式に値下げ幅を示し、同意を得たい考えだとしている。
すでに、トヨタは新日鉄住金など鉄鋼大手との鋼板の価格交渉で14年度下期から1トン当たり6000円(約6%)引き下げることで合意し、交渉を踏まえた価格を取引先の部品メーカーにも提示したという。
トヨタの取引先は、1次から3次の下請け企業を含めると数万社にのぼるが、価格の据え置きは下請け企業の救済策との意味合いが大きい。円安などで稼ぎ出した儲け分をアベノミックスの経済対策でもある景気の好循環につなげる狙いもあったが、消費増税後は個人消費も低迷したままである。泣く子と地頭には勝てないとはいうが、値下げ要請の再開で下請けの台所事情が気に掛かる。