【GARMIN vivoactive J インプレ後編】ライバルはApple Watch? コスパで群抜く体育会系スマートウォッチ

エンターテインメント 話題
本体右側のボタンを押すとアクティビティのメニューが表示される。
  • 本体右側のボタンを押すとアクティビティのメニューが表示される。
  • 本体サイズに対してディスプレイが小さいが、使っていてそれが気になることはない。
  • 本体の裏面には、専用クレードルと接触する4個の電極がある。
  • 専用のクレードル。磁石が内蔵されており、本体がカチッとくっつく。
  • クレードルをUSBでパソコンに接続し、本体を取り付けると充電が始まる。もちろん、本体内のストレージにパソコンからアクセスすることが可能だ。
  • ランやバイクなどのアクティビティの計測中はこのような画面になる。心拍は別売のハートレートセンサーを使用している時だけ表示される。
  • スマートフォンを探す機能もあり、この機能を使うとスマートフォンが音を発し、スマートフォンに近づくに連れて円弧状の表示が増える。
  • GARMINのクラウドサービスであるGARMINコネクトでは、本機の様々な設定を変更することができる。
◆アクティビティの計測と記録は専用機に匹敵する多機能ぶり

ランニングウォッチやサイクルコンピューターの分野で、GARMINは絶対的な人気と評価を得ている。本機にはそのノウハウを活かしたそれぞれの機能も搭載されているから、そこに期待する人も多いはずだ。実際、『vivoactive J』のこれらの機能はよく出来ている。ちょっと見るだけでは必要最低限の機能しか無いように見えるが、実は奥が深い。

ランでもバイク(自転車)でも、その機能を使うとGPSが起動し、走行ルートを保存する。計測、記録されるのは距離、速度(走行ペース)、タイム、ラップタイムなどだ。アラート機能もしっかり搭載されていて、例えば心拍数が設定より上がると警告してくれる。速度やケイデンスに対しても同様の設定が必要だし、トレーニング時間を決めておいて、その時間が経過したら知らせるといったことも可能だ。

アラート機能は1人でトレーニングをする人には非常に重要な機能なので、この機能がまったく省略されずに搭載されたことは評価できる。また、一定の距離ごとにラップを刻む自動ラップ機能や、信号待ちなどで止まった時にタイム計測を一時停止する自動ポーズ機能も搭載している。仮想の練習相手と競争するバーチャルトレーナー機能などは省略されているが、このようなアピールしやすい機能を省略しながら、アラートや自動ポーズといった地味だが必要な機能を残したことは、さすがGARMINと思わせる。

対応するトレーニングはほかにウォーク、スイム、ゴルフ、室内ラン、室内バイク、室内ウォーク等がある。室内トレーニングはジムなどで使うもので、GPSによる無駄なバッテリーの消耗を防ぐことができる。


◆Apple Watchとの比較は避けて通れない

今やスマートウォッチはたくさん発売されているし、その中には明らかにApple Watchの影響を受けたデザイン、機能となっているモデルも多い。本機のボディがスクエアだからといって、取り立てて騒ぐことではない、と筆者は考えていた。しかし、本機を腕につけていると、かなりの頻度で「それ、Appleの新しいやつですか」と聞かれる。これには閉口した。

やはりApple Watchとの比較はさけて通れないだろう。Apple WatchはiPhoneとの連携をメインにしたウェアラブルコンピュータであり、付加価値として運動の計測ができる。反対に本機はアクティビティトラッカーに付加価値としてスマートフォンとの連携機能を搭載している。出発点はそれぞれ違うジャンルだが、高みを目指して山を登っていったら山頂で合流した、というような関係だ。

両モデルで最も違うのは、やはり心拍計測機能だろう。Apple Watchは単体で心拍を測定できるので、運動を測定する能力が非常に優れている。対して本機では、別売のハートレートセンサーがないと心拍の測定はできない。このセンサーは胸に装着するため面倒だし、いつもつけっぱなしという訳にはいかない。本機がこの点でApple Watchに負けているのはいかにも残念というほか無い。

もう1つ、本機が負けているのは、ディスプレイサイズだ。本体サイズは同じくらいだが、本機のディスプレイは本体サイズの半分程度しか無い。対して、Apple Watchは本体の前面全てがディスプレイ、と言っては大げさだが、それに近い。

しかし、それ以外の面では、より低価格な本機の健闘が光る。まず本機はGPSを搭載している。したがって単体で走ったり歩いたりしたルートの記録ができる。一方、Apple Watchはスマートフォンなしではルートの保存ができないし、走行距離の測定もGセンサーのみに頼るため、誤差が大きくなる。

また、運動の測定や記録をする機能もApple Watchは貧弱で、例えば任意の距離でラップを刻むことができないし、アラート機能もない。本当に最低限の機能しかない印象だ。さらに高価でデザイン性も高いため、傷つけるのが怖くて運動には使えないという意見もある。

このように運動に使うなら本機のアドバンテージは明らかだ。重さにしても、本機はApple Watchのもっとも軽いモデルの、更に半分程度しか無い。特にランニングに使う場合、この重さの違いは非常に大きい。しかも、より軽い本機の方がバッテリーの保ちがよく、防水性能も優れている。Apple Watchは生活防水(IPX7)なので水泳には使えないが、本機は可能だ。

こうしてみると、本機はやはり運動の計測、記録が本職であると感じる。その面ではApple Watchなど敵ではない。一方で、スマートウォッチとしてカテゴライズされ、その視点で比較されるとあらが目立つのも事実だ。ほかのスマートウォッチとは方向性の違う体育会系スマートウォッチとして評価してこそ、その良さが分かるモデルだといえる。


◆健康管理のためこまめに運動したい人にピッタリ

最近、毎日の運動を記録するアクティビティトラッカーが人気を集めている。一方で本格的なランニングウォッチやサイクルコンピューターも多くの愛用者を獲得している。本機はその中間に位置する製品といえるだろう。アクティビティトラッカーとしてはディスプレイサイズが大きいのが魅力であり、ランニングウォッチやサイクルコンピューターとしても必要十分な機能を備えている。

こうした魅力に加えて、毎日使ってみて分かったのは、こまめな運動をするのに非常に都合がいいということ。仕事の合間にウォーキングをする、買い物の足をクルマから自転車にして運動を兼ねる。テレビを見ながらストレッチをする。そういうちょっとした運動をするとき、いちいちランニングウォッチやサイクルコンピューターを持ってきて電源をいれていたのでは、気分がそがれる。かといって、記録をせずに運動をするのは、非常に損をした気分になる。

しかし、本機なら思いついた時にいつでも運動ができる。こまめな運動を積み重ねて消費カロリーを増やす、健康を維持するということが非常にやりやすい。本機のような万能を目指したモデルはどっちつかずの中途半端になってしまうことも多いが、本機の場合は、万能性を求めた結果、本機にしかできない独自の用途が生まれているのだ。

もちろん、スマートウォッチとしての機能も便利だし、機能に対して低価格なのも魅力といえる。ランニングウォッチの機能だけを考えても、従来の中級モデルとほぼ同等の機能を持っているのだから、コストパフォーマンスは非常に高いといえるのだ。本格的なトレーニングをするアスリートには向かないが、健康管理のために運動をしたいという人にはピッタリの製品といえる。
《山田正昭》

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