【第54回静岡ホビーショー】自動車プラモにも高級化の波…国産・輸入の価格差なく

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ランボルギーニ・カウンタック。こちらはいくつかのパーツを一新して発売された。
  • ランボルギーニ・カウンタック。こちらはいくつかのパーツを一新して発売された。
  • アオシマ製のクラウン。プリペイントと言ってすでに塗装済みという点が特徴
  • マクラーレンF1.こちらはデカルが新しくなった。
  • 青島文化教材社が扱うベルギーのベルキット製、シュコダ・ファビア。
  • 同じくベルキット製のプジョー207
  • こちらは12月販売予定のフォードエスコートRS。
  • 金型から最新のVWポロ
  • VWポロ

去る5月14日~17日まで開催された日本最大規模の模型ショー、静岡ホビーショーから、自動車プラモデルの最新事情をお届けする。

正直なところ、自動車プラモデルの市場は衰退の一途を辿っていると言っても過言ではない。というわけで、新たに金型を起して製品を作るととてつもなく高額になるようで、かつては輸入プラモデルは高価。日本製プラモデルは品質が良くて安価という時代もあったが、今ではその状況は逆転していると言っても良い。

例えば、エブロが7月の発売を予定している1/24サイズのシトロエンDS19。シトロエンDSのこのサイズの模型は世界初だ。極めて精巧にできており、写真の通りドア、エンジンフードなどが開閉する。しかし、そのお値段、実に7800円。タミヤが4月に発売したメルセデスベンツ300SLも4536円とかなりの高額だ。

一方で、同じくタミヤが6月末発売を予定しているトヨダAA型は新しい金型にもかかわらず、価格は3672円。そしてこれも新発売となるホンダS600は3240円だ。トヨダAA型の場合、金型は新しいが開閉機構を持たない点が安さの秘密だろうか。同じくホンダS600の場合は、元々タミヤが発売していたS800をベースに新たな部品を付け加えて発売したため、現代のプラモデルとしては比較的安価に収まっている。

これに対して外国製品はどうか。アオシマ文化教材社はベルギーの模型メーカー、ベルキット社のモデル販売や、マカオのメーカー、ビーマックス社の製品を販売する。

ベルキット社はラリーカーが中心で、昨年WRCを制したVWポロやさらにはシュコダ・ファビアなどという珍しいキットも販売する。もう一つのビーマックス製は1/20 TAGマクラーレンF1やWTCCのチャンピオンマシン、シボレー・クルーズなどこちらも珍しい。お値段はベルキットが6696円、一方のビーマックスは車種によっても異なるが、シボレー・クルーズは3800円とほぼ安い国産プラモデル並みの価格に抑えているから、今や輸入物と国産プラモの価格差はないと言って過言ではない。

このほか、ポルシェ918スパイダー、BMW i8など、最新鋭のモデルも目白押し。人気のある車種が作られるというよりも傾向的には、よりディープな商品に移行している印象を受けた。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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