総合模型メーカーのタミヤ(静岡県静岡市)は7月22日、代表取締役会長の田宮俊作(たみや・しゅんさく)氏が7月18日に逝去したと発表した。90歳だった。葬儀は故人の遺志により近親者のみにて執り行われた。タミヤでは後日、社としてお別れの会を開催する予定としている。
田宮氏は1934年12月19日生まれ。早稲田大学法学部を卒業後、田宮商事合資会社を経て、1969年に田宮模型(後のタミヤ)の常務取締役に就任。その後、社長や会長を歴任し、2024年7月には再び代表取締役会長に就任していた。
在任中は、海外の博物館などで取材し、実在車両を精密に再現したスケールモデルの開発、電動ラジオコントロールカーや「ミニ四駆」の開発と世界的な普及に尽力。また、いち早く海外市場に進出し、海外法人や生産拠点の設立を推進した。
業界団体である静岡模型教材協同組合の理事長としても活動し、「静岡ホビーショー」などのイベントを通じて、静岡市を「模型の世界首都」として世界的に認知させた。
1946年創業のタミヤは、自動車や航空機、艦船などのプラスチックモデルのほか、ラジコンやミニ四駆、工作キットなどを手がける国内有数の模型メーカー。「FIRST IN QUALITY AROUND THE WORLD(世界最高品質を)」を企業理念に掲げ、世界中のホビーファンから高い支持を集めている。