英国スポーツカーブランドのアストンマーティンは、3日に開幕したジュネーブモーターショー15でサーキット専用スーパーカー『ヴァルカン』を世界初公開した。800馬力を超える7リットルV12エンジンにオールカーボンボディと、レースで培われた技術を惜しみなく注ぎ込んだ特別な一台だ。
シルエットやテールランプ形状にこそ、アストンマーティン・ラインアップの面影が見て取れるが、低くシャープなフロントマスク、鋭角と直線で構成されたサイドビューなどは明らかにこれまでのモデルとは一線を画すもの。「次世代アストンマーティン・スポーツカーのデザインボキャブラリー」が詰め込まれている。
世界のGTレースを戦うアストンマーティン・レーシングとの共同開発により誕生したヴァルカン。そのパワーウェイトレシオは、FIA世界耐久選手権(WEC)仕様のGTEマシンを凌駕するレベルに達しているという。カーボンファイバーボディ、インテグラル・リミテッド・スリップ・ディファレンシャル、マグネシウム・トルクチューブ、カーボンファイバー・プロペラシャフト、ブレンボ・レーシングキャリパー、カーボンセラミック・レーシング・ディスクなど、レーシング技術をそのまま流用していると言っても過言ではない。
またヴァルカンのオーナーには、納車前に専用のサーキット走行トレーニングプログラムが提供される。ルマンを勝ち抜いたアストンマーティン・レーシングのダレン・ターナー選手などのプロフェッショナルから、実践的なドライビングテクニックを学ぶことが出来る。
ヴァルカンの詳細スペックは現時点で未公表。本年中に予定されている正式なサーキットデビュー直前に公開されるという。