JR西日本、東海道・山陰の接続支線を廃止へ…新駅建設で支障

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廃止が決まった梅小路~丹波口間の支線と2019年春開業予定の新駅の位置。新駅は支線と嵯峨野線のほぼ合流地点に建設される。
  • 廃止が決まった梅小路~丹波口間の支線と2019年春開業予定の新駅の位置。新駅は支線と嵯峨野線のほぼ合流地点に建設される。

JR西日本は2月27日、山陰本線(嵯峨野線)京都~丹波口間の新駅(京都市下京区)設置計画に伴い、事業基本計画の変更認可を近畿運輸局長に申請した。同時に梅小路(京都貨物)~丹波口間2.3kmを結ぶ東海道本線支線の廃止も国土交通大臣に届け出た。

新駅は京都駅から約1.7km、丹波口駅から約0.8kmの地点に設置。七条通と嵯峨野線の交差部付近に位置し、高架駅舎と相対式ホーム2面などを設ける。開業は2019年春を予定している。

梅小路~丹波口間の支線は、東海道本線(JR京都線)の大阪方と嵯峨野線の亀岡方を短絡する鉄道路線。1918年9月10日に開業し、主に大阪方面から京都駅を経由せずに山陰本線方面に向かう貨物列車が運転されたほか、臨時の旅客列車も運行された。

1987年4月1日の国鉄分割民営化後は、JR西日本が線路を保有して旅客列車を運行する第1種鉄道事業線、JR貨物がJR西日本から線路を借りて貨物列車を運行する第2種鉄道事業線の扱いになっていたが、JR貨物は2006年4月1日付で第2種鉄道事業を廃止。JR西日本も「将来的に営業線として活用する予定がなく、新駅設置に支障をきたす」として、このほど第1種鉄道事業の廃止を届け出た。

届出上の廃止予定日は1年後の2016年2月28日だが、定期運転の旅客列車が運行されておらず、廃止による利用者への影響がほとんどないため、廃止予定日が繰り上げられる可能性は高い。鉄道事業法では、原則として廃止予定日の1年前に鉄道事業の廃止を国交相に届け出なければならないと定めているが、国交相が「公衆の利便を阻害するおそれがない」と認めた場合は廃止を繰り上げることができる。

《草町義和》

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