気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2015年2月20日付
●米、TPP今春合意加速、来年の大統領選にらみ(読売・10面)
●東証15年ぶり高値、終値1万8264円、ITバブル以来(朝日・1面)
●HISが支援表明、スカイマークへ、オリックスも(毎日・2面)
●MRJ5月29日初飛行、パリ航空ショー前に(毎日・7面)
●広い室内走行性能で勝負、スズキ「SX4 S-クロス」産経・10面)
●ダイセル、米に新工場、エアバッグ部品、タカタ問題で建設前倒し、100億円投資 (日経・15面)
●自動車1台当たり営業益、富士重・トヨタが2強、新興国戦略がカギ(日経・17面)
ひとくちコメント
株を持っていない人には驚くような話ではないが、日経平均株価がほぼ15年ぶりの高値に跳ね上がったそうだ。2月19日の東京株式市場は、国内企業の業績改善などを背景に買い注文が殺到。一時1万8300円を超え、終値でも1万8264円79銭を付け、ITバブルのころの2000年5月2日以来、14年9か月ぶりの高値となった。
きょうの朝日と日経が「東証15年ぶり高値」の1面トップの大見出しで派手に報じているほか、各紙も経済面などで「株高大企業がけん引」(読売)、「東証今世紀最高値」(産経)などと大げさに取り上げている。
個別銘柄でも高値を更新した企業も多い。一目瞭然なのは産経の証券欄のページで、昨年来の高値の銘柄にはピンク色で表示しているが、見開きの紙面の中でピンク色に塗られた銘柄がほぼ半分。
自動車などの輸送機器でも、終値で1206円50銭を付けた日産自動車と一時8000円を超えたトヨタ自動車、2726円のヤマハ発動機、仕手筋が買い占めているヨロズにもピンク色。『フィット』などのリコール騒動以降、株価が低迷していたホンダでも節目の4000円直前まで上昇した。
気になるのは今後の株価見通しである。「市場、年内2万円視野」と楽観的なのは産経だが、毎日によると、市場では「年内に2万円を付ける」との強気の見方が出ている一方で、「中国経済の減速は避けられず、欧州も量的緩和の即効性は期待できない。今年前半の株価は足踏みが続く」との指摘もあるという。
東京も市場関係者の中には「景気の実態とかけ離れている」と疑問視する声もあると伝えている。15年ぶりの高値水準とはいえ、89年のバブル期には4万円に迫る株価を付けていた。そのことからすれば、まだ半分以下。騒ぎ立てるほどでもないだろう。