JR九州、完全民営化へ「2016年度中の上場を目指す」

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九州新幹線の800系。「新幹線フェスタ」では800系やN700系が展示される。
  • 九州新幹線の800系。「新幹線フェスタ」では800系やN700系が展示される。

国土交通省鉄道局は、九州旅客鉄道(JR九州)の完全民営化に向けた「JR九州完全民営化プロジェクトチーム」がとりまとめを行った。

「JR九州完全民営化プロジェクトチーム」は、2014年10月に、JR九州の完全民営化に向けた諸課題を検討するため、鉄道局長以下の関係者を構成メンバーとして設置して検討してきた。

JR九州は現在、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(元日本国有鉄道清算事業団)が同社の株式を100%保有している特殊会社。連結決算で200億円規模の安定した経常利益を計上していることから、完全民営化を目指す。

プロジェクトチームのとりまとめによると、JR九州の完全民営化にあたっての課題と対応では、経営安定基金3877億円の取扱いについてJR九州の自主性を確保しながら、経営安定基金が果たしている機能・目的を実質的に確保する観点から、資産へ基金を振替えることを求めている。

具体的には九州新幹線貸付料を2205億円一括前払い、鉄道資産取得のため、同機構から借り入れた無利子借入金の償還財源へ800億円振替、鉄道ネットワークの維持・向上に必要な鉄道資産へ872億円振替を提言している。

また、JR九州は国の後見的な助成・監督が必要な段階は終了しており、JR会社法の適用対象から除外する。

国鉄改革の経緯を踏まえ、事業運営を確保するため、必要となる最小限の事項を国土交通大臣が「指針」として提示することにする。指針はJR会社間における連携・協力、鉄道路線の適切な維持、中小企業者への配慮など。

その上で民営化するための上場時期として2016年度中の上場を目指すことが適当とし、そのため2015年通常国会にJR会社法改正案を提出するとしている。

《レスポンス編集部》

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