【シトロエン C4ピカソ 試乗】個性ある、本物志向のマルチパーパスカー…片岡英明

試乗記 輸入車
シトロエン グランド C4 ピカソ
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『C4ピカソ』は洒落っ気のあるフレンチミニバンだ。7年ぶりにモデルチェンジを断行し、サードシートを備えた7人乗り仕様は「グランドC4ピカソ」を名乗った。また、「C4ピカソ」と呼ぶ5人乗り仕様を仲間に加えている。

この2車、デザインは似ているが、アウターパネルだけでなくホイールベースも違う。ミニバンらしさを前面に押し出したグランドC4ピカソはホイールベースが60mm長い。

エクステリアはどちらも個性的だ。キャビンは開放的で、目の前には横長の液晶センターメーターが広がっている。3種類の画面設定ができ、シトロエン初のフルデジタルのインターフェイスも見やすい。シートはグランドピカソを含め、全席が独立タイプだ。座り心地はいいが、2列目と3列目のシートは思いのほか小振りである。3列目は窮屈だが、2列目シートの下に足が入るから短時間の乗車なら大人でも我慢できるだろう。しかもC4ピカソより2列目は広く感じられた。

エンジンはアイドリングストップ機能を加えた1.6リットルの直列4気筒DOHCターボだ。トランスミッションはアイシン製の電子制御6速ATを組み合わせた。ステアリングコラムに装備されたATのシフトレバーは個性的なデザインで、最初は戸惑う。華奢だが、慣れれば無理なく使いこなすことができた。動力性能は必要にして十分な実力だ。シングルクラッチトランスミッションのEGSを採用していた先代のピカソと比べると、このエンジンははるかにスムースで、加速も軽やかである。応答レスポンスが鋭く、俊敏な変速を楽しめた。ワインディングロードではパドルシフトも重宝する。

ハンドリングは、ともに軽快だ。ワインディングロードに持ち込んだが、ヒラリとクルマが向きを変え、運転するのが楽しい。サスペンションの動きがいい。ストロークをたっぷりと取っているから荒れた路面でも凹凸をなめるように通過し、優れた接地フィールを身につけている。荒れた路面でもショックを上手に抑え込むなど、足の動きはしなやかだ。高い剛性に加え、上質な乗り心地もチャームポイントにあげられる。とくに5人乗りのC4ピカソは走りの洗練度が高かった。

ラゲッジルームは広く、荷物を積みやすい。2列目シートを畳むと、ちょっと段差ができる。これが惜しいところだ。が、シートアレンジは多彩で、真ん中のシートだけを畳めるのもいい。2人乗りと割り切れば、広大なラゲッジルームが出現する。本物志向のマルチパーパスカーを探している人にとっては長く付き合える、よきパートナーになるだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

《片岡英明》

片岡英明

片岡英明│モータージャーナリスト 自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

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