【ベントレー ミュルザンヌ スピード 海外試乗】“走り”に厳しい日本にも受け入れられる…山崎元裕

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ベントレー ミュルザンヌ スピード
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ベントレー『ミュルザンヌ』のラインナップに、ハイパフォーマンス仕様の「スピード」が追加設定された。

しかしながら搭載される、ベントレーが伝統とする、6.75リットルという排気量を継承するV型8気筒OHV+ツインターボエンジンの最高出力は、スタンダードなミュルザンヌと比較して、わずか25psの強化が果たされたのみ。一気にドラスティックな変化を見せるのではなく、少しずつ、そして着実にパフォーマンスを高めていく手法は、これもまたベントレーの伝統的手法なのだが、はたしてこのスピードには、どれほどの進化が感じられるというのか。

今回はフロリダの地で、そのステアリングを握ることができた。

とかくショーファードリブン・カーというイメージが先行するミュルザンヌだが、このモデルの真価は、やはり自分自身でそれをドライブしなければ分からない。リアシートと同様に、ゆったりとしたサイズを持つドライバーズシートに身を委ねると、自らが最高級の素材に包み込まれているのだという幸せに、改めて気づく。正面には、ニードルが1時の位置から動き始める、これも伝統を頑として崩さないスピードメーターとタコメーターがレイアウトされている。タコメーターのレブリミットは4500rpmと、これも不変である。

変わらないということ、そして最高級のものに包まれるということが、これほどまでの安心感を与えてくれるのか。ミュルザンヌのドライバーズシートに収まると、いつも最初にこのような感想を抱く。もちろんそれと同時に、これから始まる走りへの期待も徐々に高まる。それが最新にして最強のミュルザンヌたるスピードであれば、なおのことだ。

センターコンソールには、ドライブロジックを「コンフォート」、「B」、「スポーツ」、そして「カスタム」へと変更できるダイヤルスイッチが装備されているが、まずはコンフォートを選択してミュルザンヌ・スピードのドライブを始めた。だがこのコンフォート・モードは、やはりリアシートにVIPを迎えた時にこそ利用価値があるもので、ドライビングの楽しさを積極的に感じようという時には、B、あるいはスポーツのモードを選択するのが得策だ。

サスペンションはコンフォートからB、Bからスポーツへと、よりハードなセッティングへと変化し、またスポーツモードでは、6.75リットルエンジンに組み合わされる8速ATも、エンジンスピードを常時2000rpm以上にキープするようになる。それによってさらにダイナミックな走りが楽しめるのだ。

25psのエクストラパワーを得て、537ps仕様となったエンジンは、スペックから想像する以上に魅力的なフィール、すなわちスタンダードモデルとの差を感じさせてくれた。最大トルクは1100Nm。それが1750-4200rpmでフラットに発揮されるのだから、どのようなシチュエーションからでも、アクセルペダルを踏み込めば、一瞬で加速体勢は整う。これが2685kgものウエイトを持つビッグサルーンのパフォーマンスだというのか。

ベントレーは、このミュルザンヌ・スピードのパフォーマンスをフルに味わうために、2700mの滑走路を持つ飛行場をテストの舞台として用意してくれた。ここでは約270km/hまでの加速を体験することができたが、その圧倒的な直進安定性、そして優秀なエアロダイナミクスは特に印象的だった。ベントレーによれば、ミュルザンヌ・スピードがメインマーケットとするのはヨーロッパ諸国、あるいは日本といった、走りに対しての要求や評価が特に厳しい市場であるという。ベントレーにとってはひとつのチャレンジともいえるスピードは、どうやらその狙いどおりに、これらの市場で大きな成功を収めそうだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

山崎元裕|モーター・ジャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
1963年新潟市生まれ、青山学院大学理工学部機械工学科卒業。少年期にスーパーカーブームの洗礼を受け、大学で機械工学を学ぶことを決意。自動車雑誌編集部を経て、モーター・ジャーナリストとして独立する。現在でも、最も熱くなれるのは、スーパーカー&プレミアムカーの世界。それらのニューモデルが誕生するモーターショーという場所は、必ず自分自身で取材したいという徹底したポリシーを持つ。
《山崎 元裕》

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