ホンダが、2015年度中に発売を予定している『FCVコンセプト』。そのインテリアは未来感とくつろぎの両立を狙ってデザインされた。
「最初に考えたことは、先進感、未来感がなくてはいけない。その一方でインテリアとしてくつろぎも必要だ。そこをうまく調和させることが大きな課題だった」とは、本田技術研究所四輪R&Dセンターデザイン開発室1スタジオ主任研究員の萩原泰一さんの弁。
「先進的で未来チックだけだと疲れてしまう。やはりゆったりと落ち着いて、気持ちがくつろげることが室内には必要だ。その融合が一番のテーマだった」という。
具体的には、「気持ちが落ち着くように、心地よい広がり感や、自然な素材(木や革など)を感じられるような使い方をした。従来から使っている素材だが、より木や、革の感じが出るようにしている」と萩原さん。
その一方で先進感は、「メーターの周りやセンターパネルで、新しい未来を予感させるデザインを心掛けた」と話す。
未来感を出すために操作性に影響はないのだろうか。萩原さんは、「未来感は、(これまで以上に)使いやすくなっていたり、便利になっていたり、気持ち良くなることが基準になることは間違いない。未来感が出たから使いにくくなるのはありえないことだ」と断言する。
「より使いやすく、見やすく、気持ち良くなる作りが未来感の基準になる。そうでないと先進技術を使う意味がない。いままでできないことができるようになったり、いままでわからなかったことがわかるようになること、それが新しくなるということだ」と語った。